SWAN SS-200A
1974年ごろの発売であったと思います 
アマチュア無線界にあって、オール・ソリッドステートSSB/CWトランシーバの先駆けとなった製品です
3.5〜28MHz 5バンドをSSB/CWでカバーする、100Wトランシーバーです
電源は外部よりDC12Vを供給です
サイズは、315(W)x145(H)x305(D) 本体重量は、約8.6Kg (SS-200A)

このシリーズには、SS-15A、SS-100A、SS-200Aと、送信出力によって3つのバリエーションがありました(型式にある数字表記は、PEP出力かな?)
製品構成を、上手に実現してあります(ベース・モデル+アンプ・ユニット2種)
発売当時、SS-200Aは、$779だったと思います
その当時、日本では、エレキ―やマイクコンプレッサを製造販売していたカツミ電機が、SWANの代理店をしていたように記憶しています
SWAN製品としては、このシリーズや、バンパー・マウントのマルチ・バンド・HFモービル・アンテナ(45J/日本バンド帯向け)、マッチングBOX(MMBX)の広告を出していた覚えがあります

製品について
従来の真空管式のトランシーバ(例えば、SWAN500)の構成を、真空管からデュアル・ゲートMOS−FETにそのまま置き換えたような設計に見受けられます
RF段で、かなりゲインがとってあり、例えば7MHz帯では、0.2μV入力でS/N10dbが取れません
28MHz帯でも、S/N10dbが取れているのですが・・・
0.1μVの信号でも大きな音量が得られ、受信感度という点だけでみれば高感度です

プリセレクタは、受信にのみ かなりシャープな特性です
送信は、無調整・・・ワイドバンド設計です
ハイフレIFのシングル・コンバージョンゆえに、このような設計でもスプリアス問題は生じにくいのでしょう

構成は、IF 5MHz台のシングル・コンバージョン、SWANお得意の設計です
受信は、高1中2の標準的な構成
VFOは、従来の同社トランシーバと同様に、一発発振・・・例えば21MHz帯では、16MHzあたりの一発発振です
従ってVFOケース、コイル、配線などしっかりした(強度のある)素材が採用されています
ノイズ・ブランカは、狭帯域フィルタに入る前に処理する本格的なものです

モード切替「OPP」は、逆サイドバンドの選択です
WWV受信
21MHz帯を選択し、21.0MHzにダイヤルを合わせ、プリセレクタを3.5MHz帯付近で最大感度を求めることで、10.000MHz WWVの受信
3.5MHz帯を選択し、4.0MHzにダイヤルを合わせ、プリセレクタを28MHz帯付近で最大感度を求めることで、15.000MHz WWV受信
ができます。
VFO周波数と、IF周波数で計算してみて下さい。

フィールド運用を意識しているのでしょう、受信時の消費電流もスピーカーをガンガン鳴らしても250mA程度、これは照明ランプの消費電流を含みます
送信も100W出力で17A程度と低消費電力です

この向きで見たほうカッコ良いかも
広告は、このイメージで掲載されていました
リアパネルです
やはりヒートシンクが多くを占めます
2段構成
面白い構造が採用されています
マイクやキーの接続、あまり使わない調整ツマミなどは一段低い奥まったシャーシに用意があります
その分、メインパネルはシンプルです

足は、純正ではありません
ゴムの劣化が著しく、樹脂製のものに変更しました
メインダイヤルは、お馴染みのバーニア構造
80〜15mバンドは、おおよそ100KHzを7回転
FT-101などと同じイメージで、1回転おおよそ15KHz
10mバンドは、おおよそ4回転で200KHz
1回転当たり50KHzのイメージです
サブ・ダイヤル目盛りは、単なる360°を100等分したスケールです
周波数読取精度は5KHz程度・・・メイン・ダイヤルは5KHz目盛りです(10mバンド以外)
唯一のリレーはこんなところに

電源とスピーカーの接続ですが、使用してあるコネクタが入手できないので、平型差込端子を使って加工しました

余談ですが、VFOの筐体が頑丈に作ってあることが分かります!
  本機では、ドライブユニットです
SS-15Aでは、これがファイナルです
LPFユニットです
基板はSWR/ALC検出
黒いコネクタは、ファイナルユニット(下写真)接続用です
SS-200A ファイナル・ユニットです
ビス4本で本体に縫われています
RCAプラグは、RFの入出力
ファイナル・ユニットの中身です
PT3105C/PT5763パラレル・プッシュプル
SS-100Aには、この半分を搭載です
稼働テスト中です
ファイナル・ユニットを取り外し、入出力を錫メッキ線でショートして、ドライバまでの動作の確認
各バンド8W程度が得られました(SS-15A状態!)

電源及び外部スピーカーの接続は6Pコネクタが使われているのですが、合うコネクタがありません
取り合えず、ミノムシ作戦です
シャーシ上面
非常にシンプルに構成されています
右下のクリスタルはマーカー用100KHzで、分周して25KHzごとにマーカー信号が得られます
中央に見えるクリスタル・フィルタは、5.5MHz 2.7KHz幅のもの
フロント側からシャーシ上面を見るとこんな感じ
奥のシールドされた中身が、ドライブ・ユニットとLPFユニットです
シャーシ下にRFコイル関係(バンド切替SW回り)
その下にシールド板を挟んで、キャリア・オシレータ、マイクアンプ部
シャーシ下側です
バンド切替SWの動きに連動する長いアームを使って、VFOの発振周波数を決めるコイルの切替SWを駆動、回転軸の方向が90°ひねってあります
SWAN社の十八番のメカです
SWAN社の十八番が、このVFOにあります
FL/FT-50で、周波数構成を真似たYAESU FV-50等とは機械的強度が全く異なります
配線も銅板です(錫メッキ線ではない)

参考記事
SWAN500
ST200(FV-50)
見た目はそれなりの50年選手です
今回の一番は、VFOの発振周波数が正しくないことで起きたトラブル
それ以外は、それなりに動いているようでした
最終的に、全バンド送信出力は100W前後・・・95〜110W/CW時です
受信感度は、0.2μV入力信号のON/OFFで、S/N10db
先に記したように、7MHz帯ではプリセレクタで最大感度に合わせると、S/N6db程度に
同調をS/N最良に少しずらしてやると10dbとれます
28MHz帯では、最大感度に合わせてS/N10dbが取れます
一言で高感度です
0.1μVの信号も十分な音量で受信できます
高い周波数の一発発振のVFOの安定度ですが、意外と安定です
オール・ソリッド・ステートで、真空管式のマシンみたいな大きな温度変化はありません
このことも大きいと思われます
SWAN500では、即X-Lockの組み込みを決めましたが、本機はこのままでも良いかなぁ、です
本気で使う気がないのかもしれません!?
余談ですが、本機はVFOのA/B切替を持っています(外部VFOの利用が可能)
丈夫(シンプル)で、低消費電力・・・ぺディションなどへの対応も意識した設計にも見えます
この後のAtlasシリーズに繋がっていきます(例:Atlas-210 ←オーナーの趣味がヨットだったとか)

基板はガラス・エポキシ系のものが採用されており、劣化は極めて少なく、当時の性能が得られています
この辺りは、国産の当時のものと大きく異なる点です

おそらくですが、
国産最初のオール・ソリッドステートSSB/CWトランシーバは、
1976年発売の YAESU FT-301
もちろんオール・ソリッドステートで、最初のデジタルVFO搭載(アマチュア無線機としては、世界初かと)のSSB/CWトランシーバは、
1977年発売の ICOM IC-710
だと思います

 2026.03  JA4FUQ

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