『ものづくり』、そのとらえ方について
一市民が、それも『ものづくり』をしないと日本は食っていけないと教育された『昭和のジイ』のとらえ方です
世間に役立つことをしなさい・・・もう一方では、このような教育を受けました
いろんな考え方があるのは承知で、日本のそれも都会ではない地方が元気にやっていけることを主眼においています
すなわち都会の価値観ではなく、イナカの価値観です、ましてやグローバル・スタンダードなど目もくれておりません!
最近、産官学連携という流行ものがありますので、その仕分けで記してみました

「官」「学」のとらえ方 
  特に「学」のとらえ方には、我々一市民からすると問題があると考えます
彼らの評価は、論文(の評価)にあります
論文の世界では、狭いところをより深く探求することが、より高度な研究・成果とされるようです
すなわち、直接的に世間に役立つことを目的としていません

「官」は、目新しいこと、今までになかったことを自分がしたと言うことが評価になると考える方が多いようで、
とかくささやき言葉(これからは○○の時代だ!等)に弱いと言えます
過去を否定しない一面が、こんなところに出ている・・・とも考えられますね
また、失敗は許されないという強迫観念があるのか、本当のベンチャーや職人芸等には目もくれません
実績があるところで(ある意味出来レース! 「官」指導で新会社を立ち上げてベンチャーを名乗るような
姑息な手法も時々目にします)、言葉上の最先端を目指すことは良くあることだし、まあそれはそれで良い
かもしれませんが、本来「産」的に考えたビジネス(成果)と、「官」「学」が考える成果とは違いがあることを、
「産」の側は良く理解しておく必要があります

「学」は、試作品の完成で十分満足 「官」は、きちんとしたレポートが上がってくれば満足、もしお国かマス
メディアが取り上げてくれれば、大満足
この動きにご一緒しているようでは「産」(企業)は続きません
産官学連携事業に期待する方には、ちょっと申し訳ない気がしますが、私の経験ではこのような理解の上で
近づくべき事業だと考えます
地元(地方)「産」のとらえ方 
  地元(地方)の地場産業(製造業)と言えば、はっきり言って下請け中心です
ものを作る技術は、きっと世間に引けをとることはないでしょう 
技術を磨く、生産効率を上げる・・・・このことには、熱心です
が、今の時代、生産効率を上げても仕事の時間が減るだけで、会社としては稼働経費が減れば儲かると言う
ことにはなるのかも知れませんが、設備償却には時間を要すし、働く人は就業時間が短くなる=給料が減る
だけです
競争力を付けるには、生産の効率向上は命題! よく耳にするフレーズです
ここでいう競争力とは、世間一般的には価格競争の力です
安くできれば、結果として得るものが大きくなる・・・グローバルな市場競争の現代に、これって本当でしょうか?
ものを安くする、すなわち自分たち努力の成果を安売りすることを一生懸命していることに他ならないとも言える
と考えたらどうでしょう
もしそうだったら、働く人も元気は出ないよね・・・と思うのは、昭和の年寄りだけでしょうか?
自分たちの仕事の成果=ものを、高く売る努力って出来ないものでしょうか?
同じものを高く買ってくれって、そんなこと相手に通じるわけはありません
そうです、部品ではなく製品を作って売る・・・と言う考え方にシフトできないかと言うことです
簡単に言えば、お客さまから見直しです
自分たちの技術を、製品という形で(部品より)高く買っていただけるお客さまを開拓する・・・です
今は、ナショナルブランドでないと売れないという時代ではありません
海外の日頃目にしたことのないブランド、あるいはプライベートブランドもどんどん市場に出てきています
本当に良いものであれば、プライベートブランドでも十分商売できる・・・です(ブランドは関係ない!)
むしろ、手作りが喜ばれたりする時代・・・でもあります
インターネットを通じた広告、ユーザーとの直接やりとりなど、昔では考えられなかった顧客開拓手法が、目の
前に、それも非常にローコストで実現できる時代が正に現在です

これは第二次産業だけではありません
第一次産業でも、コストをかけて製品化・・・工業生産物のように、規格を揃えて毎日同じように生産・出荷し
ないといけない工業化した農業だけが全てではありません
生産物のコストより、物流コストが遙かに高くついているものも珍しくありません
また工業化することで、本来の野菜が持つ良さを失っていることも少なくありません
野生サルも狙うのは、農家の方の自家用有機栽培野菜です! 
隣にある商売用の野菜には手を付けないシーンだってあります(沢山あっても食べ物として魅力がない!)
このことは、マーケットを狭く考えれば、消費者にとっても安くて良いものが手に入るというようにも言えます

世界を見据えてビジネスを考えるのは大手に任せて、中小企業未満・・・小規模事業者は、狭い経済圏で
きちんとやっていけるビジネスを展開すればいいことではないかと思います
何事もそうですが、最先端も業界一番も世界には一人(1社)しかいません
全員が、そのひとつを目指す意味がありますか?
狭いところで、例えば町内で、あるいはこの狭いマーケットで絶対一番!を目指して仕事をすることも良いので
はないでしょうか
大手と同じ事をするのが、良いこと?・・・お客さまが違えば、同じ事をするのは良くないことかも知れません
それぞれの持つ環境(地域性・規模・技術・顧客など)を、「今までは、というメガネ」を外して、改めて見直して
見ることが、とても大切なことだと思います
大手とか業界の先輩などと比較することや見習うことは、この場では全く必要ありません
向かう方向が定まったら、見習う諸先輩は一杯いらっしゃると思います
 
私どもの『ものづくり』 
  ■スタートは、思い入れあるのみ
  これしかありません、このものがきっと役に立つ、他にはないし・・・が起点です
■商品化出来た時点が全てのスタート
  一般には事前のマーケティング・企画がスタート、商品化できたら後は売るだけでしょう
  私どもは、商品化できた時点が、市場調査・市場評価のスタートと考えています
  何せ思い入れスタート、仕様書のない『ものづくり』のようなもの、必要とされる確信はあっても買っていただ
  ける確信がありません
  実際に「もの」を使っていただくことで、お客さま目線で評価がいただけます
  従いまして、使用いただく現場が全て・・・当面は現場を回っています
  プラン(仕様)だけでは、お客さまにとっても評価しづらいことだし、こちらの思いが製品をお渡しするだけでは
  お客さまに通じないことだってままあります
  一度製品化したものを、場合によっては、設計を0からやり直すことだってあります
  いつまでに製品化して、いくら売らないといけないという目標がないと言えばその通り!
  こんな費用対効果を無視したような『ものづくり』、大手には、絶対真似出来ません
  従って、競合の心配はありません
■好きこそ継続の力
  自分のやっていることが好きになる・・・フェミニストではありません
  いくら売れなくても、お客さまの要望に応えるための労力がかかろうとも、大きなロスが発生しようが、好きで
  やっていると言えば、周囲はなにも言わない(言えない!)し、自分も頑張れる、言わば一人親方でやってい
  るメリットのひとつです
  バックギアなし、前進あるのみです!

  イヤなことを頑張るのは辛いけど、好きなことで頑張れることは幸せなこと
  日頃から周囲に言っていることは、「この歳になってイヤな仕事はしない、好きなことしかしない」って
  わがままに聞こえるでしょうが、自分がしていることは全て好きなこと、ということの裏返しです
  これは、きっと仕事に取り組む人皆に言えること
  自分のしている仕事を好きになりましょうね!
  どうやっても好きになれなかったら転職しましょう、きっとその方が楽しい人生になります

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