SWAN ASTRO 102BX
こちらは、1980年に新製品としてお目見えしたもので、当時日本国内においてはJA3USA氏経営の(株)WORDが代理店(輸入販売)をしていたと記憶しています

160m〜10mバンドまで、SSB/CWに対応  WARCバンドは非対応(WARC:1979年秋にアマチュア無線向け解放が決定、国内では10MHz帯の解放が82年で、18/24.5MHz帯の解放は89年だった)
出力100W(実測でCW最大、160〜15mバンド/120W 10mバンド/100W)
RTTY、SlowScanTV送信にも対応するが、その場合は強制空冷を行うよう説明書には記されています
受信は、IF 9MHzのシングル・スーパー・へテロダイン方式(ミキサーには、DBMを採用)
2.4KHz8ポールフィルタ2個によるパス・バンド・チューニング(16ポールフィルタ相当)
シェープファクタ:1.4 (6db−100db) →→ これは優秀です
CW・N時は、300Hz 8ポールフィルタ
0.35μV S/N10db
特徴的なのは、デュアルPTO(VFO)の採用、もちろんたすき掛け運用が可能です
25KHz/回転と、最近の手には少し動き(周波数変化)が速く感じられます
アナログVFOとしては、非常に安定かと思います(必要があれば、またx−Lockの世話になります)
IFの帯域幅は可変(パス・バンド・チューニング)、ノイズ・ブランカ、AFノッチ・フィルタ、AF方式スピーチ・プロセッサを内蔵と、オプション・レスです
またCWはフル・ブレークイン、セミ・ブレークインが選択できます
周波数表示は、デジタルですが、無線機としてはアナログ方式のものです
こちらは、ケース/シャーシとも鉄板で、アルミ板の採用はありません、従いまして重たいです(重量約11Kg)!

入手した時点での大まかなチェックでは、ほぼ正常動作をしていました
IFコンバート系に原因があると思われる不安定動作、その他一部SWあるいはVR(固定/半固定)の接触不良による不具合があったくらいで、最小限の修正(修理)と調整だけで「現役合格」としようと思っています
一番気になったのは、内蔵スピーカーからでる音色で、外部スピーカーを用意して使えば良いのでしょうが、そこまでの元気はありません
そうは言っても、ちょっと我慢ならないので、この点だけは手を入れることにしました(後述)
デュアルPTO(VFO)を採用
7セグメントLED表示の下にあるLED表示は、パス・バンド・チューニングの巾を表しています
CW・Nを選択すると、この帯域巾も狭まるように設定されています
RFゲインコントロールとは別に、IFゲインコントロール、そしてAGCディレイタイムについても、フロントパネルに調整VRが配されています
フロントパネルに配されたMICジャックは、CWキーの接続も出来る排他使用の可能な設計がなされています
なお、マイク入力インピーダンスは、47kΩです
トップ部
ご覧のようにシンプルな構造で、整然と基板が置かれています
各基板を接続するフラット・ケーブルのコネクタは、一般的なDIP-IC型が採用されています
スピーカーは、ご覧のように左サイドに内蔵されています
黒色で巾10mmの金属板で、スピーカーのマグネット部を巻くようにして、ビス1本で固定されています
ボトム部

やはり整然と基板が並んでいます
シャーシ・メッキも綺麗なままです
アルミ板の採用はありませんが、基板類は全てガラスエポキシ両面基板です
PTO(VFO)部は、構造的にも頑強に作られています
リア・パネルは、ご覧のように非常にシンプルです
電源入力(DC13.8V Max20A程度)
外部スピーカー(φ6ジャック)
以下、RCAジャック
リレー出力(リニア・アンプ制御)
ローカル・オシレータ入力
電鍵/KEY(フロントパネルに、MIC/KEY兼用φ6ジャックも有り)
外部MOD(AUX)入力
ANT:M型レセプタクル
あとは3Aヒューズホルダとヒートシンクです
今回(今のところ!)、唯一の改造です
内蔵スピーカーの取付は、トップ部の写真にあるように、マグネット部分を直接金属ベルトで巻いて固定する方法がとられていました
このままでは、非常に軽い音色しか得られませんので、厚さ10mmの板を加工して写真のように取付直しをしてみました
こうすることで、スピーカー・ユニットは、純正(内蔵)のままですが、音色はずいぶんと落ち着きます
この試験結果が良好なので、きちんとケースのスピーカー窓位置に合うよう木板を加工し、固定します
ここでは接着剤が大活躍です!

写真でおわかりの通り、全体を見ての印象としては、業務用無線機と思えるような内容/仕上がりを持っているように思います
経年変化に伴って生じる「がさがさゴソゴソ」という受信時のノイズ対策などには少々時間を取られましたが、決定的な問題に遭遇することなく現役復帰OK・・・・「現役合格」とすることができました
スピーカー取付の変更により、シャカシャカした受信イメージは無くなり、落ち着いた雰囲気で受信が出来ます(S9が40dbμVemfですし!)
ただ、この時代の特徴でもあるロー・ハイともカット気味な音色であることは否めません・・・いわゆる昔からの通信向けと言われる音色です(最近の「いい音」というのがきちんと再現できない・・・極論すると皆同じように聞こえてしまいます・・・皆さまの「いい音」への努力が、聞いてその努力をあまり感じられない!? もちろん音の良い悪いは分かります!)
通信という目的からして、これはこれで正解としましょう!

後に、WARCバンドとRTTYモード(LSB送信&CW・N受信))を追加、オプションとして単独のCWフィルタ(6ポール 400Hz巾)が用意されたASTRO 103 が発売されています
 
気になっていた点に手を付けました

5VReg部分を取り除いてリアパネルへ
大きくスペースが空きました
PTO A/B 動作表示LEDを緑に変更
カウンタ表示・・・7セグメントLED表示の1KHz台の桁が、通電時間の経過によって変な表示になっていることから、カウンタ・ユニットを分解することになりました
まず、7セグメントLEDドライバ/DM9374Nの入手が大変・・・元の10倍!くらいのコストがかかってしまいましたが、なんとか海外から入手(古いものの補修は、こういった面が大変!)
基板への直付けは止めてソケットにしました
この便に、ここでの発熱源である5Vの定電圧回路をリアパネルに移行しました(サービス・マニュアルの最後に、改造するように書かれている)
パスバンド幅を表示するLEDのひとつが暗くなっていて気になるので、同じものと思われるPTO A/B 動作表示のLEDを外して移行しました
そのため、PTO A/B 動作表示のLEDを、緑のものに変更しました
LEDも長く使えば、輝度も大きく変化することを実感しました(多少ばらつきがあるので全部換えようかとも思ったのですが、今回は手抜き!)

電源コネクタ右の外部スピーカージャック
この接点に接触不良があったため
現在は、別の形状のものに交換をしています
ノイズ対策:電解コンデンサも10個近く交換
サービスマニュアルの記載に従って、そもそもカウンタ部にあった、DC12VからDC5Vを得る定電圧回路部分を、写真のようにリア・パネルに移行しました
7Pの立てラグひとつと、ICの発振止めのCのみの追加です(穴開けはひとつだけ!)
気は心とばかりに、簡単なヒートシンクを付けておきました
写真は、リアパネルを内側から撮ったものです
この結果、カウンタ表示部のシャーシ温度はずいぶん冷たく!?なりました
オリジナルの状態では、時間の経過とともにかなり温度が上昇します
PTOユニットの真上ですから、PTOのドリフトにも当然影響したと思います(改造指示は、きっとこの対策かと)
この状態で、リアパネルは受信のみにおいても結構暖かくなります
最終的なフロントパネルの様子です
時間の経過とともに、表示がおかしくなっていた1KHz台の表示も、入手に苦心したドライバICの交換により安定した正常な表示になりました
暗くなったパスバンド表示用のLEDの交換に使い回したPTO動作表示LEDの後釜については、ご覧のように緑色のものを採用しました(オリジナルの様子は、本ページTOPにある写真で確認できます)

落ち着いて受信が出来る状況になりました
PTO(VFO)の安定度も、熱源を移動させたせいもあって、実用上問題がないと判断しました
フロント・パネルにあるIFゲインを絞ることで、検波器の入力を絞ることが出来ますので、ちょっと手をかける気になれば(このボリューム調整だけで)、S/Nも良く、結構良い音で受信が出来ます
ダイヤル1回転25KHzとバンド展開も早いし、使い勝手が良さそうな気がしてきました・・・・
2015.09

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