YAESU FRDX400
本博物館初の、国産品の本格的なご紹介です
私個人が、一番熱を入れてON−AIRしていたときにお世話になったマシンで、そこから半世紀近く経った今、つい手にしてしまいました
手持ちぶさた・・・と言う状況があったせいかも!?(AMマシンの手つかずが・・・)

外部スピーカー/SP−400と、使用当時発行していたYAESU規格カードを一緒に撮しました
LEXツマミについては、この10月で生産中止とのことで、この便に全てを交換しました

この頃のYAESUには、シリーズ毎に規格QSLカードの用意がありました
ご覧のように裏面は規定印刷されたもので、表面のみ自由に設定できたものです
出てきたものを撮りました  FT−200  FT−101  FTDX401 各シリーズのものです
裏面は、400ラインの・・・そう、当時の私のQSLの裏面です
世界中のHAMの方に利用があったと思います(この規格カードを利用したQSLが海外より届いています)
カード転送について、当時は確か2円の海外用転送料金(切手風のもの)を貼ってJARLに送っていました


お話を戻して、このFRDX400ですが、確か1967年の発売だったと思います
AMを脱した69年から72年頃まで、親のすねをかじって一番熱を入れてアマチュア無線を楽しんでいた頃に、お世話になった受信機です
FLDX400と言う送信機と、トランシーブで使用していました
基本構成は、VFOはトランジスタ化されたものの、他は全て真空管という内容です
周辺としては、100/25KHzマーカー、50/144MHzコンバータは、トランジスタ化されていて、特記すべきはコンバータのTOPで、FETが採用されています(50M/シングルゲート、144M/デュアルゲート)
これらのため、9Vの安定化電源が内蔵されています
FL/FR100Bという先の経験が活きているのでしょう、VFO周りなど、機械的には丈夫な設計です(少なくとも、当時のTRIO等と比べると遙かに!)
余談ながら、FLDX400のVFOは旧シリーズ同様の真空管方式・・・安定度はイマニ(イマイチ以下)で、予備的な使い方でしか実用出来ませんでした(トランジスタ化されたVFOの安定度に、感心したものです)
当時使用していたのは、初期のスタンダード(50KHzダイヤル、規格QSLカードに写っている形状ズバリ/オプションだらけのベース・モデル)で、色々つっついて遊ばせてもらい、最後は元の形をとどめることなく処分しました(捨てました!)
今回、たまたま入手できたのは、スーパー・デラックス・・・初期に近い25KHzダイヤル/フル・オプションのものです(後期型は、1/6バーニア機構を組み入れたFT−101風の100KHzダイヤル)

YAESU
この頃が、会社として一番元気が良かった時期かもしれません(会社規模拡大の時期)
FR100B/FL200Bシリーズの後継である、この400ラインの発売(トランシーバ型は、FTDX400)
そして大阪万博の年 1970年には、FT−101を発売
この後のアマチュア無線界は、Made in Japan の世界になりました


整備中/清掃前の撮影です
見た目には年代を感じる劣化は多々ありますが、フル・オプション・モデルで、今回の整備できちんと動作しました
オプション対応は、奥に見えるバンド水晶・メカニカルフィルタ、そしてFM検波ユニット、50&144MHzコンバータ
100/25KHzマーカーは、コンバータの下にその一部が見えます          
真空管については、AFの6BM8を除き、全てシールドが施されています


前オーナーの手で、この頃の機種で問題となるメカニカルフィルタの分解清掃、電解コンデンサの交換など一部手が入れられていましたが、28MHz帯以上の動作は分からないと言ったものでした
実際のところ、21MHz帯以上の感度は非常に悪く、コンバータも50MHz帯については明らかに不具合(極端な感度不足)がありました
また7MHz帯の局発水晶が不安定・・・受信が出来たり出来なかったりします
IFリジェクションについては、途中でVCがショートするところがあるようです(OFF位置ではないところ)
いつものように、簡単に清掃をしてから、バンドSWほかSW類、ダイヤルメカなどの点検/クリーニング/補修、そして電気的問題の解決に取り組みました
エアーで清掃中、局発部からは、7mmくらいの裸リードの切れっ端が出てきました・・・ん!?
リジェクション部は、別ケースに収納されているため、取り外してVCステータ/ローターの修正をしました
RF−IFまで、改めて再調整、初段の6BZ6にやや劣化が見られ、手持ちの新品と交換しました
これでHF帯の感度は、カタログ値に
50MHzコンバータは、初段(RF増幅段)のFETがNGでしたので、そのまま手持ちのJ310に交換
ゲインが高いせいか、調整は要注意・・・すぐに自己発振してしまいます!
調整をしようにも、固まって動かないセラミックトリマが数個有り、これらは交換しました
これで、HF〜144MHz帯まで、受信感度としてはスペックどおりになりました
50年近い昔の、昭和の時代の受信機ですが、ちゃんと復元できました


緑色の蛇の目基板が、SN16913Pによるプロダクト検波回路  ツマミは交換前のオリジナルの状態


自身でメインで使っていた当時も気になって、IF結合レベルを疎にしたり、別のプロダクト検波を試したり、オーディ検出の増幅型AGCにしてみたりと、対応を試みていたのですが、やはり「SSBの復調される音」には、ちょっと我慢なりません(特に信号が強いと、歪みの発生が顕著・・・RFゲインVRから手が離せません、その昔はそこまでではなかったと・・・??)
ここでは無駄な抵抗?は止めて、いつもの?SN16913Pによる検波回路を組み込みました
ICの入力ピン(2番と5番ピン)の使い方ですが、BFO/IF信号の各レベル/インピーダンスなどで、結果の良い方の接続を採用します(違いがあります)
今回も、IFとの結合は、レベルを合わせるためCを直列に入れて少し「疎」にしています

最後にSメーター指示の校正を・・・ここで、新たに異常を発見!
信号強度に比例した動きをしない・・・回路から、IF2段目(最終)増幅管のプレート電流が正常に変化していないことになります
そこで、この6BA6を手持ちの新品に交換・・・この結果、正しいと思われる動きになりました
SSB復調音が、強力な信号時に激しく歪んだ理由のひとつが、ここにあったかも・・・です
30dbμVでS9指示と言うことで調整をしたところ、バンドによって多少の差はありますが、50&144MHz帯を含む全バンドで、ほぼ同様のS指示をするようになりました
0dbμVの信号で、Sが振れ始めるかどうか・・・あたりの動作で落ち着きました
  

半練りコンパウンド等を使って少し見栄えの手入れをしました  ご覧のようにツマミはNEWです!
お気づきでしょうか?この頃には純正スタンドマイクはありません、写っているのはAIWA DM−47です


手が、最近のマシンのメインダイヤルの動きに慣れてしまっているもので、25KHzダイヤルの動きに少々戸惑いますが、それなりに実用に耐える「受信機」になりました
50年近く前のものが、今も実用出来る・・・元がしっかりしていればこそのことかも知れません

鉄シャーシというところは、大変残念です(US製品は、そのほとんどがアルミ・シャーシを採用)
基板もベークライト・・・この時代の海外物は、ほとんどガラス・エポキシ基板の採用なのですが・・・
国産の古いマシンにあまり興味が向かない理由が、どうしても2ndマシン的設計であり、先に記した耐久性の低いところにあります

真空管の使用について、コリンズ製品もそうですが、受信機については適切なB電圧がかけられているケースがほとんどです
真空管の使い方については、トランシーバの場合、高いB電圧がかけられているケースが多く見受けられます(使用本数を押さえたい => 目一杯、すなわち少ない本数でゲインを稼ぎたい、あるいは送信部を含む電源の都合などあるのでしょう)
従いまして、トランシーバとは異なり、受信機に使ってある真空管の寿命は長い、というのが一般的です
が、今回に限れば2本の交換を要しました(そもそも全体が、ご老体ですね!)
2016.07 
28MHz帯Cバンドクリスタルが発振しません(入手時点では気にしていませんでした)
が、もしコンバーを活かしたら、という気になって?、特注で手配しました
納期約3週間で、リーズナブルな価格で入手できたので入れ替えました
これでFR−DX400 スーパーデラックス 復活です
2018.02  JA4FUQ

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