YAESU FT−620

当時の八重洲製品ではおなじみの、透明のビニルカバーは、取り外しました
1972年の発売で、当時¥69,800にて販売された、50MHz帯を500KHz幅8バンドでカバーするAM、SSB、CW10Wのトランシーバです(AMは、多分2〜3W)
あのFT-101の登場から2年後です
280W x 125H x 259D AC電源を内蔵し、重量8Kgと、コンパクトなモデルです
後にブラック・フェイスのFT-620B、デジタル表示が追加され25Wモデルも登場したFT-625DへとVeuUpしていきました 
今回入手した本機は、無償でいただいたもので、保管状態が良くなく汚れもすごかったのですが、整備と合わせ清掃することで、そこそこの見栄えになりました

リアパネル
左上のVRは、AMのキャリアレベル調整用
中央の出っ張りは、内臓安定化電源のパワートランジスタのコレクタをカバーするもの
その右は、CWキージャック、そしてその右は外部スピーカー接続ジャックです
シャーシ上部
VFOに連動して動くVCのセクション数がすごい
RF段のトラッキング用です

左シールドの中身は、送信ファイナル部
10W機ですので電源トランスは小さく済みます

真ん中のスペースは、多分ですがオプションのマーカー基板の指定席かと思われます
シャーシ上部
リア側から写したもの

RF部の上の基板は、BFO発振ほか

VFOドラムのカラーリングは、100KHz台の指針の代わりをするものです
シャーシ底部
オプションのCWフィルタは入っていません
内臓スピーカーが意外と大口径です
シャーシに取り付いているので、ケースからの本体取り出しには気を使わなくて良く、これはGoodです

中央シールドはVFO
左シールドは、バンドクリスタル発振部
標準実装 50.0〜52.0MHzに、52.0〜52.5MHz帯が追加されていました
VK/ZL狙いだったのかなと想像します

IF部上の基板は、固定CH用発振回路部です
意外と、よくあるパターン
感度低下が認められました
その原因ですが、あとから追加・改造された受信ブースタが犯人でした

バンド・クリスタルの発振停止&レベル変化
OSCコイルの再調整、外部に取り出してDIPメーターで強制発振など行い、6個のクリスタル全て発振
あとは、トラッキング調整で、カタログ・スペック+となりました
当時の記憶が曖昧なのですが、受信感度が良くないなど言われていたように思います(HF以外、興味がなかったので、記憶は当てになりません!)
整備・調整後、実際に測ってみました
AM 1KHz30%変調ON/OFF 1μVの信号でS/N10dbが得られます(カタログ・スペック通り)
SSB、CWにあっては、0.25μVの信号ON/OFFで、S/N10dbが得られました(カタログ・スペック以上)
決して感度が悪いわけではなさそうです
Sメーターは渋い 40dbμVでS9+(+10dbくらいのイメージ、メーターに+スケールは無い)と、HFトランシーバ並みで、このSメータの針の触れだけで見ると感度が悪く見えるかも・・・V/UHFのトランシーバでは、20dbμVでS9指示するようなものもありましたから・・・
2025.05    JA4FUQ 

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