Heath-Kit  DX-60B HG-10B
Heath-Kitより、DXシリーズのAM/CW送信機としては、DX-35が、1956年頃より発売されていました
その後、DX-40、DX-60 そして、このDX-60Bへと変遷がありました
DX-60Bは、AM時代の最後、1967年から1976年にかけて長く提供された商品です
5球構成、終段管は、6146 入力90Wという送信機です
AMは、終段管のスクリーングリッドにかけるキャリアコントロール変調です
アメリカン・ノービスクラス(HF CW と、VHF CW&Phone 入力75Wまで)向けには、80・40・15mバンド CW にも限定で対応
それも、 3.700〜3.750MHz
      7.150〜7.200MHz
     21.100〜21.250MHz
という運用周波数の中で、入力75W以下での運用が求められました
運用周波数に気を付けてクリスタルを入手して、終段プレート電流100mA以下で使うようマニュアルに書かれています(レギュラーオペレーションでは、150mAと)
クリスタルは4個内蔵が可能で、外部VFO HG-10Bの用意があります
ドライブレベル調整(写真左から2つ目のつまみ)
ドライバ管の6CL6のSG電圧を可変することでパワーの可変を行います

電源通電のPLは、−(マイナス)のコントロール電圧から
ここが不点灯なら、真空管が暴走しますからナイスな設計かと思います
高圧通電表示は、600Vのラインから、それぞれネオン管を使って表示させてあります
AC一時側はONでも、高圧がONにするのはSTB時を除く・・・こんなファンクション切替から、このようになっているものと考えられます

スタンバイ、キーイングは、ブロックバイアス方式
リレーを内蔵しませんから、TRIO TX-88A/Dのような、リレーからの火花の発生はありません(TRIOのように高圧電源をリレーでON-OFFするようにはなっていません)

送受(ANT)切替リレーは、内蔵されていません、外付けです
言い方を変えると、これくらいの用意が自分でできないと送受信機を組み合わせて使うことが出来ない、です
ライセンス保持者ならできる!ですね
終段シールドケースを取り外して写しています
終段管の傍に、中和用のロッドが立っています
懐かしい形状です
キャリアコントロール変調のため、変調トランス・あるいはチョークトランスの類は見当たりません
プレート同調VCにバーニア機構はありません、ダイレクトです
ここは大型つまみで・・・です
M-R(多分、前オーナーの改造)は、VFO入力
送信出力は、左端のシールドケースの後ろに付いているRCA-Jです

シールドケースの中身は、LPFです

内蔵クリスタルの形状は、FT-234 x3 と、HC-6/U x1です
HC-6/U・・・今の表現では、HC-48/Uですね
ゆったりとした配置です
リア後方からフロントパネルに向かって発振=>増力です
昨今の送信機とは逆の流れですね

Heath-Kit HG-10B
HG-10B
3.5MHz帯〜144MHz帯の送信機に対応
3.5MHz帯 x1 3.500〜4.000MHz
7MHz帯〜28MHz帯 x1〜x4 7.000〜7.425MHz
50MHz帯 x6 8.333〜9.000MHz
144MHz帯 x18 8.000〜8.222MHz
4バンド(7バンド)に切り替えて対応できる、とても器用?なVFOです
関係して、ダイヤル表示もユニークです
参考:Hallicrafters HA-5 
ダイヤル表示機構です
バンドSWに連動して、表示ダイヤルが回転するようになっています
当時、糸掛け機構が、一つの技術でした
シャーシ上面

真空管は、定電圧放電管を含めて2本のみ
発振・バッファは、五極三極の複合管一本で

機構的にしっかりしています
シャーシ底面

ダイヤルは、ギア機構によりVCを駆動します
おおよそ13回転でフルスケールです
3.5/7/8MHz帯の発振コイル3個が見えます
良い(高周波的に)部品が採用されています
リアパネルです

送信機接続(電源給電)用GTプラグ付きケーブル、VFO出力(RCA-J)、そしてCW-KEY入力ジャックです

キャリアコントロール変調
Drake TR-4シリーズにも採用されていました
が、日本ではあまりなじみがありません
トヨムラ QRPシリーズくらいしか採用の記憶がありません
SSBっぽい電流計、パワー計の振れ方をします
変調回路に大きな電力は必要なく、高周波的にも常にフルパワー状態ではありませんから、見かけ上大きな電力が扱えます
本格的には、プレート変調、より変調を深くということで、プレート・スクリーン同時変調、これらが国内では普通に採用されていました

 最後に、当時の受信機 HR-10B と並べてみました
日本でいうところの 59ラインです!?
2020.10   JA4FUQ

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