HFモービルにチャレンジ

 本当に、無線はお久しぶり。
 開局して30年以上にはなるが、最後にシャックの前に座ったのは、いつだったかなあ。
   シャックは、実家に・・・・
 ハリクラフターズSR−2000(トランシーバー)のレストア、いやその後にSX−117(受信機)を手に入れた・・・
 そうそう、MIZUHOの14Mハンディ(VXO式)をバラして、TRIO VFO−40 に組み込んで、プリミックス部分をつくって、14.0〜15.0Mhzまでの1Mhz可変、入力5WのQRPトランシーバー(外観はVFO−40そのまま、電源内蔵型!!)に仕上げたのが最後かな。
 QSO・・・・ほとんどした覚えがいない。
 10年以上放ったままで空中で劣化したCD社218Hを、ナガラTA−351−40に代えたとき、試験的に電波を出した(SR−2000の試運転をかねて)のが最後かな!? あれからウン年・・・
 どうも何かことが起こったときにしか、電波を出した記憶がない。
 XYLからも、悪く言われる・・・・その時だけ、と。
 その昔、カラスの鳴かぬ日はあっても・・・・と、言われた時代もあったのだけど!!

 最近お客さまから聞くに、実際に電波を出している人が減った、コンディションはそこそこ良いのに(安定とは言えないそうであるが)・・・・・
 商売をしていても、情けないことに再免許申請書がベストセラー商品という状況から、おおよその見当はつくHi
 コンディションに左右され、また周囲とのマッチング(大きなアンテナの設置、【I(インターフェア)】問題など)を気にしながらのHF運用より、インターネットにチャレンジする方が、周囲を気にすることなく、余程確実だし、得られる情報量も多い・・・・
 パソコンの前に座っていても、無線機の前に座っているほど、【性格が暗い】とは、言われないようだし!?
 あまりに無線に関する話題がないので、突然ではあるが、いつかはやってみようと思っていた、HFモービルにチャレンジする気になった。
 毎月出しているミニコミ紙に掲載する無線に関する話題の貧弱さに、何とかしなくては・・・という気持ちもあったし・・・
 車も、もう地球を6周近く回ったことになる走行距離!で、今更どこがどうなっても惜しげはない。
 いわゆるセダン・・・・3BOXタイプのトランクのあるもの。
 トランクにしまい込めるタイプの基台は、随分昔から取付だけはしていた。
 きっちりとアースするタイプではないので、HF運用には不安があるが、まあやってみよう。
 アンテナは、これもいつかは・・・・と、1式持っていたサガ電子のエレメントコイルの差し替えにより、7,10,14,18,21,28Mバンドのうち2バンド分同時装着できるモノ。
 50,144Mは、もとになるエレメントで共振するので、常に使用可能・・・・という、とてもマルチバンド?な代物である。
 約1.2mの基本エレメントの先に、周波数により40cmから1m位のエレメントを差し足して使用する。
 7Mにおいても、その全長は、地上から見ても3m程度で、3.6m制限の一般道路を走行するには、まったく問題はない。
 また、駐車においては、エレメントの基部で可倒式になっているため、ちょうど倒したときにリアウィンドウにエレメントがのっかるような倒れ方をするように、基台に取り付けるとFB。
 その時、L字型にもうひとつつけているエレメント(HF2バンド同時カバーできる)が、トランクに突き刺さらない方向・・・・ちゃんと立てたときに後ろ向きにエレメントが向くようにすれば、アンテナを倒したときにこのエレメントがほかにイタズラせずに済む。
 5ナンバー車・・・・車幅169.5cmのトランクにつけて、倒して反対側に飛び出すエレメント・・・・14Mエレメントを選択した場合、ほんの数cmで、これはドアミラーの出っ張りを考えれば全く問題ない範囲、日頃の駐車にはなにも問題は起こらない(7Mエレメントであれば、ちょっと問題であろうが・・・・)。
 SWR測定、受信をしてみる限り、基台のアース問題は、今のところ気になってはいない。

基台に取り付けたまま倒した状態
ドアミラー以上にエレメントの先端が外には出ない
L型に取り付けたエレメントもボディに当たることはない
見にくいが、ちょうど手前に向いている(21M)
実際に立てると、ほぼ真後ろを向く状態になる
14Mのコイルもガラスの上で、ボディにはなにも当たらない
トランク基台の周りの様子
アンテナを外して、くるりと回せば
基台はトランクの中に完全収納
外から基台が着いているとは分からなくなる
欠点は、基台を出しているときにどうしても
トランクが浮いてしまうこと位かな?!
   
  
  
   
遠目に見て、黒いファイバーのエレメントにも関わらず
そんなに目に付きません
これで、HF運用・・・・良いんじゃないでしょうか!?
後ろを向いているのが21Mエレメント
真っ直ぐ上向きなのは、14Mエレメント
黒の部分だけで、50/144MにONAIR可

 リグは、YAESU FT−850 これは、アンテナチューナーも内蔵された、コンパクトなもの。
 いわゆる固定機としても使えるサイズのモノで、最近のコントロール部分が取り外せてセパレート運用もできる、V/UHFのモービル機と見間違うような、超小型のモノではない。
 個人的には、助手席に、ポンと置いて使うには、かえってこのくらいのサイズの方が使い勝手も良いように思う。
 もっともアンテナチューナーは使っていない、というのも今回採用したアンテナのSWRを見る限り、日頃よく使うであろうという周波数範囲について、1.5以下と十分な特性を持っていたため。

中心周波数 SWR 1.5以下の範囲 調整のために行った作業
7060Khz ±30Khz エレメント1.5cmカット+位置調整
14.180Mhz ±70Khz 位置調整のみ
21.25Mhz ±100Khz エレメント2cmカット+位置調整

 付属のエレメントの初期状態は、各バンドのローエッジ(見事なくらい!)になっていましたので、SSB運用を意識して、上表のような範囲に調整を行った。
 それにしても、コンパクトなアンテナ(短縮率の大きいアンテナ)の割りに、とても調整しやすく、また特性もブロード・・・・驚いた。
 3バンドの調整作業は、FT−850内蔵のSWRメーターを利用して、30分とかからなかった。
 アンテナアナライザーも手元にあったのだが、電池切れで、それならエイヤッとばかり・・・・
 失敗は、安物のニッパーの歯を折ったこと・・・・
 エレメントのカットに、この位の太さならダイジョーブ、とニッパーを使ったのが間違い!! ニッパーが負けた。
 やはり、ここは(ワイヤー)クリッパーのお世話にならないと・・・・
 電源は、その昔、自動車電話(!携帯電話ではない!)をセンターコンソール(アームレスト)につけていた名残りで、そこに太い電線(3.5スケ)がバッテリーから直接入っていたので、これをそのまま利用。
 そんな訳で、とても簡単に無線機を助手席に置くことが出来た。

 FT−850も、簡単に50W/100Wの切替が出来た。
 底蓋を開けて、横にある小さなスライドスイッチを切り替えるだけで簡単に50Wに変更できる。
 でも、10Aの電流をバカに出来ない。
 簡単に半田付けしていたら、アンテナの調整を終えてさて50Wのフルパワーテスト・・・・・パワーボリュームを上げたとたんに、電源が切れた??
 まさかヒューズが飛ぶことはないし・・・・もともと100W 25A程度のヒューズが入っているはず。
 事実ヒューズは飛んでない??
 もしかして・・・・先ほど行った、半田付け箇所が10Aの負荷に耐えられず、溶けていた。
 やはり太い電線の接続(半田付け)は、ちゃんと導線(銅線、スズメッキ線等)で縛った上で半田付けしないと・・・・
 横着は出来ないことを改めて教えられた。

無造作に置かれ、助手席でお客さん状態のFT−850

 さて、実際の運用。
 まずは、お決まりコースのワッチから・・・・
 もっぱら、14/21M帯を中心に行った(2バンド同時装着のアンテナということで、この2バンドを選択)。
 通勤時、あるいは日中出かける時に、無線機の電源を入れ、メインダイヤルをクルクル回しながら・・・・
 ノイズの問題
   自車のノイズ・・・・電源からの回り込みは感じないが、アンテナからは最大S5(21M帯)程
              度聞こえる
              これは、FT−850内蔵のノイズブランカをONにし、8割くらいVRを回して
              スレッシホールド位置をあげることで、ほとんど影響ないくらい(Sメーター
              も振れず、耳でも聞こえないくらい)軽減できた。
              14M帯については、ノイズブランカ無しでもそう問題は無いように感じる。
 面白い発見 
   V/UHFで、よく経験すること・・・・
   ロケーションの悪い場所に、固定アンテナを設置。
   ビームアンテナより、無指向性のアンテナの方が感度が良い(よく飛ぶ)。
   折角ビームアンテナに変えたのに、なぜ???
   その理由・・・
   一つの方向から入ってくる電波だけをつかまえるより、複数の方向から入ってくる電波を合成
   的につかまえる方が、結果として強い信号が得られる・・・・マルチパスが良いという結論。
   同じような経験が、この度の運用でもあった。
   山の斜面を走っている方が相手の信号が強い・・・・DX/アジア
   町中のビルの間を走っている方が、相手の信号が強い・・・・国内
   いずれも、14/21M帯共通の傾向。
   ただ、中途半端なロケーションより、川の橋の上、川土手など開けた場所の方が信号が強い
   のは確か。
   でも、人が思うほど、ロケーションは関係ないな、というのが実のところの感覚である。
   ただし、これは耳S・・・・すなわち、耳で聞いてと言うことで、Sメーターをしっかり監視すると、
   それなりの差はあるのかも知れない。
   走行中にそんな芸当は出来ないので、Sメーターの監視は試みていない。
 
 コンディションは確かに良さそう、今のところ限られた時間帯だけのワッチだが、ヨーロッパを除いて全ての大陸の信号を聞くことができた。
 最近は、どこにでも日本人がいるようで、ベトナムをはじめ、南太平洋からも連休を利用したペディション組か、日本語のDX QSOも多く聞かれる。
 国内も、関東以北、沖縄・大東島周辺などが、良好に入感している。
 
 実際の送信は、ローカル局にでも電波の質を確認してもらってから・・・と思うも、そのお相手がいない・・・
 ローカルの声がしない。
 そんなわけで、今のところ受信日記の域を出ていないことに。
 

 いずれにしても、最近の製品はとても優秀・高性能。
 無線機にしろ、アンテナにしろ・・・・
 真空管時代、自作の時代から無線を知っている者にとっては、あまりにも出来過ぎているような感じさえする。
 それだけ、車内という、それも走行しながらでも、十分ONAIRできるだけの能力を持ち合わせていると言うことか。

 きっと、QSO編に続く!?

de JA4FUQ/4
2000年 春

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