水力発電システム(その2)
4.小規模なマイクロ水力発電が普及しない理由
もともと日本には川が多く、マイクロ水力発電が可能な小さな川や用水路も含めますと、その適用可能な立地場所が、数限りなく在ることが知られていまし、前述のように水力エネルギーは、有望な発電システムとなり得るエネルギー源であるにもかかわらず、現状ではその普及がほとんど進んでいません。

このことの大きな理由のひとつとして、日本の河川や用水路には、法的な規制や既得権益が複雑に絡み合っており、第三者が発電目的で河川を利用することが出来ない状況であることが挙げられます。

1級河川や2級河川などの大きな川は、国の管轄下にあり自由な利用は望むべくもありませんが、マイクロ水力の利用候補対象としては、川が大きすぎますのでもともと検討対象外です。

しかし、それよりもずっと小さな準用河川(これは地方公共団体の管理下にあります)であっても、農業・漁業に関わる水利権の問題などがあり、管理者である地方公共団体の意思で水力発電システムを設置しようとしても、なかなか上手く話が進みません。

また、農業用水路などの水流を利用する場合でも、そもそも農業用水路は、農業振興を目的として、国や自治体からの助成金により建設・整備・運営される性格のものであるため、他の目的に利用することが出来ないという実情があります。

しかし、マイクロ水力発電は、発電のために流れる水をダムで堰止めたり、水を何かに使って量が減ってしまうものでもありません。また汚染物質を川に流すわけでもなく、適切な方法によって設置・運営されるのであれば、自然環境への影響は最小限にとどめることが出来ますし、上流域にも下流域にも迷惑をかけることがありません。

これらのことから、今後、マイクロ水力発電に対する理解が深まり、障害となっている多くの規制が緩和されること(言い方を変えますと既得権の開放が進むこと)が期待されています。

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