ICOM IC-760PRO
80年代 バブリー?な時代 そしてアナログ設計時代の終焉的モデルです
アナログ設計の最高性能を得られる実用的価格のモデルということになるのでしょう
幅424 高さ150 奥行390 重量は約17.5Kgと、かなりの大型です

確か1987年の発売だったと思います
IC-780というスペクトラムアナライザ機能を有した(最近では当たり前のように内臓)最高級機(¥698,000)の下位・実用モデルという設定かと思います
IC-780から、スペアナ機能とデュアルワッチ機能を差し引いた内容…簡単に表現すれば、こんな感じかと思います
価格は、¥358,000でした
この頃になると、CPU制御もこなれ、バンドごとの設定情報(アンテナチューナー動作も含む)もレジスタに記録され、スピーディーなバンドチェンジ、運用ができるようになっていますし、外部PCとの接続もできるようになっています
CWは、エレキーを内蔵し、フル・ブレーク・インに対応します
受信は、いわばお決まりのアップコンバージョン方式のトリプルスーパーヘテロダイン
1stIF:69MHz 2ndIF:9MHz 3rdIF:455KHz そして、検波です
この先、ICOMでは、AC電源を内蔵しないモデル 756シリーズが登場
756からは、本格的なDSP化がすすむことになりました
その後、IC-7600というちょっと短命な機種・・・・7800、7700、の下位という位置づけだったのでしょう・・・が登場
そして、アンテナからいきなりデジタル処理というIC-7300/7610というSDR方式のモデルへと発展しました
AC電源を内蔵したモデルは、実用機レベルのものではこの760PROが最後だったかもしれません
大きな筐体・・・内臓スピーカーの音は良いのですが!?

リアパネルの様子です
意外にも?シンプルです
最近のマシンは、感覚だけでは操作できない階層を持つものも多いですが、この頃は、まだまだダイレクトな操作が可能です
その分、ツマミ類、SW類が多いです

メーターは、もちろんアナログ式です
清掃のため、フロントパネルを外した状態

清掃でいえば、ダイキャストパネルのアクリルパネルが外せないため、隙間の汚れをふき取ることができません、残念
30年も経つと両面テープもしっかり張り付いて・・・グレーの横長のエンブレムが取り外せません
この時代は、お金をかけています
このフロントパネル ダイキャスト製で、その重さは、1502gあります

メインノブも、ゴムカバーを含めると242g
なかなか重量感という重厚感があります
内臓スピーカーも、大型のものが採用されています

フォステクス製 8Ω2W
上カバーを外した状態です

大きく面積を占めて見える黒い物体は、SW電源部です
その右のチューナーCPU部バックアップ用のリチウム電池は、電圧を測ると3Vオーバーでしたので、交換せずそのままに
AC電源ユニットの下にもCPUバックアップ電池がいます
下カバーを外した状態です

シールドで囲まれた部分は、RFユニットです
これだけの筐体サイズであれば、ゆったりと収納できますね
IFフィルター部のアップ
このモデルは、9MHz帯、455KHz帯いずれも2.4KHz幅、500Hz幅のフィルターを標準で実装しています
IFシフト(パスバンドチューニング)は混信除去機能としてこのクラスのマシンでは定番です
オプションは、CWナロー/250Hzフィルタ(9MHz帯、455KHz帯)と、AM用6KHzフィルタ(9MHz帯)です
筐体が大きいせいか、100Wファイナル部が小さく見えます
   こちらは、リアパネル
非常にすっきりしています
リニアアンプ・受信専用アンテナ、あるいは専用受信機の接続、トランスバータの接続など考慮されています
CI-V PCコントロールのためのシリアルポートも用意があります


今回入手できたものは、保存状態もよく、電気的な動作もスペックを満足する状態でした
発売から30年以上が経過したモデルなのですが・・・
      
余談ながら、本機はJARD新スプリアス確認保証可能機器リストに掲載があります(定格を見ても、スプリアス発射強度ー60dB以下と記載があります)
2019.07   JA4FUQ

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