RFID/無線タグ
RFID とは
RFID(Radio Frequency IDentification)とは、ICタグと呼ばれる媒体に記憶された人やモノの個別情報を、無線通信によって読み書き(データ呼び出し・登録・削除・更新など)をおこなう自動認識システムのことです。身近な例では、JR東日本のスイカがあります。改札機にカードを通さなくとも、読み取り部にカードをかざすことにより、無線交信で検札情報のやり取りができます。
このように、ICタグを読み取り機などにかざすことによって、製品情報(製造年月・流通過程・検査情報など)が表示機器に表され、さらに新しい情報を書き込む(リライトする)ことで、製品の流れや人の入退場などが一元管理できるのです。
無線タグ、一般にこのように表現されます
無線タグ・・・・原始的なものですが、身近なところでは、レンタルショップや量販店などでの万引き防止策に使われているクモの巣状のシール(IDなど持たず、反応してアラートを出すことが出来るもの)
JR東日本では、お馴染みの「Suica(自動改札機にかざすだけで使用できる鉄道乗車カード)」も、この分野(無線タグ)に分類されます
もう少し詳しく分類するとパッシブ型の無線タグと言うことになります
自分自身では電波は発信できず、相手からの電波による電磁誘導により起電し、その電源があるときに電波を発信して情報のやりとりを行うものです
数十cm程度の距離で検知できるものもありますが、「Suica」のように情報のやりとりをするものについては、その速度などからほぼ接着するくらいの距離でないと実用出来ません(その昔、タッチアンドゴーとかいうコマーシャルを見たことがあるような・・・)
一方で、アクティブ型と呼ばれる、電池を内蔵して自分自身で電波を発信することの出来る無線タグがあります
ほとんどの場合、IDのみ一定時間毎に発信しているだけのものが多いのですが、中にはステータスが送れたり、双方向で情報がやりとりできたりするものもあります
ここでは、そのアクティブ型のタグを取り上げます
受信装置側アンテナの選択・設置条件等により異なりますが、百数十mまで非接触で検知することも可能です(この受信システム・・・アンテナの選択・設置にノウハウがあります!!)
タグ本体のコストがパッシブ型に比べ各段に高いですから、使い捨てをするような仕組みには適しません
タグも目的によって選択することが、求められます
タグに情報を記憶する?しない?
パッシブ型・・・ICタグに全てのデータを覚えさせると都合が良い・・・その記憶容量は大きい方が良い!?
確かに履歴を持ち歩くことが出来ますし、マスター登録も必要なくなるかも・・・
その一方で、無くしたときのことを考えれば、その内容によっては大変なことになります
リーダーで簡単にその中身を第三者に読まれてしまうことになります
もう一種類・・・私どもの得意とするもので、ビーコン型とも呼ばれるアクティブ型の無線タグは、IDのみのメッセージとなります(アルファベット7文字、他に情報を覚えるメモリなどは入っていません)
必要な情報に対し、ひも付け・・・関連をくっつけるだけの役目です(指さす矢印のようなもの!)
こうしておけば、情報を丸ごと他人に持っていかれることはなくなります
そのひも付けですが、コンピュータ上のデーターの付け合わせに限らず、接点やセンサーをこの発信器に組み合わせる使い方が考えられます
また、画像サーバー(Webカメラ)と組み合わせて、このRFタグを持つ人をカメラが追いかけるような使い方なども考えられるでしょう
インターネット環境が進化すると
 そこのタグに、データを記録しておく必要がどこまであるんだろう?
 そこにしかない情報というやり方は、情報共有が標準になりつつある昨今、もしかしたらオールドファッションな考え方???
 データベースの共有環境の元で、IDによる情報の紐付け管理のほうが、この情報共有の考えに忠実!!!
 インターネット環境の整備が進んだ昨今では、このように考えてしまいますね

 もちろんその使い方によってそれぞれの良いところはあります
      そこだけを見れば全ての情報が分かる
              → ネットワーク環境のないところで単独に利用できる
      他との共有の必要ない情報
              → 個人情報(キャッシュカードなど)
   これらは、記録しておくメリットがあるかも知れませんね

 従来の貧弱なネットワーク環境と、ブロードバンドネットワーク環境が当たり前の昨今とは大違いです
 社内のサーバーからデータを引き出すのと変わりない早さで、世界中のサーバーを検索して目的の情報収集ができる時代になってきました(皆さま、インターネット上の検索エンジンなどでご経験の通りです!)
 どなたかの受け売りですが、個人がシステム手帳を持ってスケジュールを管理しているのが、タグに記録させて使うやり方で、グループウェアのスケジュールに予定を書き込んで、その情報をネットで共有するやり方が、タグにデータを記録しないやり方・・・このように説明されるとわかりやすいと思いますが、その使われ方も、ネットワーク環境整備とともに変わりつつあります
 ネットワークが成熟した社会では、タグにデータを記録して使うやり方は、むしろ陳腐化したやり方・・・とも言えるでしょう(そのタグのある場所でしか中身が分からないスタンドアロンな仕組み・・・ということになります)
 この場合、データベースの標準化、検索エンジンの標準化など、標準化が大きなポイントとなります
 時代背景の変化が、タグの使い方をも変えていきますね
 IDのみ発信しているアクティブタグが、ここにきて物流を中心に注目を集めてきました
 やはり検知距離が長いと言うのが一番のメリットです
  
 ここまでは、いかに安く記録できるタグ(リライタブルのパッシブタグ)を作るか・・・国を挙げての5円プロジェクト(月産1億枚で原価5円で作れる技術の確立を目的としたもの)まで出来ていますが、こうした背景の変化により、もしかして世の中に一番必要とされているタグは、IDのみを発信しているアクティブ型のタグではないかと強く思うようになりました
   
Active RFID
私どもの得意は、無線屋ゆえこちらのタイプです!!
何が得意って、実はアナログ部分・・・そう、電波の部分です
より遠くから確実に捕捉する・・・この技術を得意とします

第一世代の終了から少し時間を要しましたが、第二世代の用意が出来ました(2015.06)
 アクティブ型は、電池を内蔵するため、タグそのものは大きくなりますが、上記パッシブ型のタグの数Cmの認識距離が、数m〜数十mまでの距離にのばすことが可能になります
 同じ非接触型と言っても、パッシブ型のタグとは使用シーンが大きく変わります
 例えば車両につけて・・・も、可能です
 
初代ActiveTAG Spider(300Mhz帯使用)の例 こちらは、2015.06登場のもの(2.4G帯使用)

 例えば、認識・・・・セキュリティについてもこれひとつで絶対とはいかない・・・盗難にあったり悪用されたり・・・
 指紋認証の補助・・・・社員数百人の指紋照合を1つずつデータベースから行うのはとても時間を要すことです
 無線タグでその人の指紋データを呼び出して合致しているかどうかの判断であればスピーディな処理が可能になります
・IDカードでは、荷物を持って両手ふさがりでは大変
・自動車での移動(出面管理)にも、電波が飛ぶ無線タグであれば降車の必要がない
など、無線で、それも最大数十m位の間で判断できるメリットは大きいものがあります
時速30kmの速さで移動する30個の無線タグを、ほぼ100%正確に読み込んだ実験(実例)もあります
同時に100個以上の無線タグの認識が可能など、他の方法では不可能なこと(別のシーンへの対応)が可能になります
   
ここまでを、簡単に整理しましょうね
◎RFID・・・ICタグ/ICチップ
 新聞などマスメディアが景気向上を期してか、ちょっとあおりすぎのような気もしますね

 ローコスト → 使い捨て → バーコードとの比較    ← パッシブ型RFID

◎途中でデータを書き換える必要のない使い方であるならバーコードで十分!かも!?
◎検知距離にしても、レーザータイプなら数mまで対応可能なバーコードリーダーがあります!?

  このパッシブ型はせいぜい数十cm・・・検知距離です
  盗難防止用タグのように情報のやりとりのないものは、1m強の検知距離が期待できるでしょう


 コスト高 → 使い回し → 他に変わる手段なし   ← 
アクティブ型RFID


◎検知距離が長い・・・移動速度の早いものにも対応できると言うことになります
 VHF帯を使用し、受信アンテナにもよりますが、5〜100mの距離で検知が可能です
◎同時識別が可能・・・1秒間隔のタグで100個程度の識別が同時に可能です
◎一般に、この種のものではID以外の情報は持ちません(書き換える情報は持たない)
 DBとのひも付けがその使い方です
◎使い回し・・・パレット、カーゴ車、コンテナなど、リターナブルな使い方のものと相性は良いはずです
 常に個体管理する方法とは一線を引く・・・ データベースとの紐付けで解決する考え方が、トレーサビリティニーズなども含め、情報の共有化メリットが大きく今風でしょう

 アクティブ型のRFIDは、パッシブ型とは一線を引いた使い方の中で成長が期待されます


 最近、中間的なUHFパッシブタグが登場しました
◎先のパッシブ型RFIDというのは、13.56MHzを使用したものですが、こちらはもっともっと高い周波数・・・効率の良いUHF帯(電波法改正で、950MHz帯も使えるようになりました)を使用するもので、最近許可されたものです(433MHz、800MHz帯など)
◎なにが中間的??
 まず飛距離(検知距離)5〜6mが期待できます
 ただし移動物の場合、歩く程度の速度が検知の限界・・・駆け足で通ると検知できません。
 あと同時読み取り・・・これも出来ません(950MHz帯を使用するものではアンチコリジョン機能を持つものもでてきました)
◎検知範囲を絞った使い方が容易
 このメリットは大きいかも知れません(くれぐれも、ゆっくりした動きでひとつずつです!)
 VHF帯を使用するアクティブタグで、狭い範囲に限定して検知させることはかなり困難なことです

 駐車場入口のように、一台ずつ一度停車して・・・こんな使用目的には良さそうです


 ハイブリッド!?
◎個体管理は、安価なパッシブタグで、リターナブルな容器や車両などは、離れていてもきちんと読めるアクティブタグで・・・というように、そのシーンによる使い分けというか、きちんと役割を分けて使うことで、より便利に、すなわち普及が進むのではないかと思います
 利用する者には、それぞれの特性というか特徴をきちんと理解してシステムを構築する技量が必要です
 ひとつの方法で全てを・・・ これが一番良くて、ほかは良くないと言うような排他的な考え方は良くありません(一神教的な考え方は、発展性が低下すると考えます))


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