12月定例岡山県議会代表質問の中で取り上げられる
平成14年12月6日 公明党代表質問 質問者:吉田政司県議
吉田県議は代表質問の中で、動物による農林被害の拡大問題から、この警戒システムの導入拡大と、イノシシやシカなどへの応用を提案
石井知事は、真庭地方振興局管内で試験運用を始めたこのシステムの効果を認め、まだ装着できていないサルの群にも発信器の装着行い、他地域への普及と、サル同様に群をなして行動するシカなどへの活用を研究する意向を示した
サルを含めた2001年度の県内における鳥獣被害額は、約4億3千万円と報告された

岡山県議会ホームページから、この代表質問と県知事の答弁について、関係あるところのみ抜粋してご紹介します
平成14年12月定例会   公明党  吉田政司氏の代表質問から関係部分のみを抜粋
★岡山県議会のホームページから★
1番(吉田 政司君)

 次は,鳥獣害について伺います。
 つい先日は,長野県下諏訪町でかみつき猿に20数人の女性が襲われ,負傷しました。
 この猿は,野生ではないとも言われているようです。
 一方,県内でも鳥獣被害が相次いでいます。
 これに対し,なかなか決定打がない中で,真庭振興局では,猿の接近警戒システムの試験稼動が始まっております。
 大変ユニークな取り組みで,全国からも注目されているのではないかと思います。
 これは,集団で移動する猿に電波発信機を取りつけ,その猿の群れが集落に近づくと発信機から出る微弱な電波を感知した回転灯が点滅し,集落の住民に警戒を促す装置で,美甘村に3カ所設置したと伺っています。
 この警戒の合図で,住民の方が威嚇用の模造銃で対応するというものです。このシステムは,大変示唆に富むものと注目しております。
 1,まずは行政と住民の役割を分担し,それぞれが協力し合えるというもの。
   行政が装置を設置し,警戒警報が鳴れば住民が対応するというものです。
 2,次に,猿につけられている発信機は,野生猿の行動調査で平成12年から使われているものです。
   この調査で使われた装置を,そのまま対策にも活用している点であります。
   非常に効率的な利用法で感心をしております。
 さらに,
 3,費用なども安くできていることであります。
 暗い出来事や厳しい話の多い昨今,近年にないユニークで明るい話題だと思います。
 県の取り組みに対し,敬意を表したいと思います。
 そこで,質問ですが,
 1,県内の猿の被害の実態はいかがでしょうか。
 2,今後この取り組みは拡大すればと思いますが,御予定はいかがでしょうか。
 3,また鳥獣被害は,猿のほかにイノシシやシカ,クマ,カワウなどがありますが,被害実態とこれらへの応用はできないのでしょうか,お伺いします。
知事(石井 正弘君)

 次に,鳥獣害についてであります。
 猿の被害の実態についてでありますが,平成13年の猿による農作物の被害額は約2,500万円でありまして,鳥獣被害総額約4億3,000万円の5.8%を占めておりまして,地域的には真庭地方振興局管内の被害が最も多く,被害作物といたしましては,水稲,芋,カキ,シイタケなど,農作物全般にわたっております。
 猿の接近警戒システムについてでありますが,本年度,真庭地方振興局では,2つの群れの2頭の猿に電波発信機を取りつけておりますが,今後,真庭局の他の群れの猿にも装着をするとともに,これらの成果を踏まえて,他の地方振興局への普及というものを検討してまいりたいと存じます。  猿以外への応用等についてでありますが,平成13年の猿以外の鳥獣害は,イノシシは約2億円,シカは約6,000万円,クマは報告はありませんが,カワウは約2,000万円の被害が見られました。
 このシステムの他の鳥獣への応用についてでございますが,猿のように群れで行動するものにつきまして有効ではないかと存じますが,群れで行動するシカなどで活用ができるのかどうかといったことで,国の試験研究機関,他県の事例等につきましても調査研究をしてまいりたいと考えております。

2月定例岡山県議会一般質問の中で取り上げられる
平成16年 3月10日 一般質問 質問者:小田圭一県議
山陽新聞 2004年3月11日朝刊より
2月定例県議会一般質問の場で、小田県議が、真庭地方振興局が昨年から採用した野生ザルに発信器を付けて接近を感知する撃退システムの成果を聞いた
土井生活環境部長は、「美甘村と落合町内の計六カ所で導入しているが、うち五カ所は被害が全く出ておらず、残る一カ所も被害の程度は軽くなっており、大きな成果があった」と答えた

岡山県議会ホームページから、この一般質問と生活環境部長の答弁について、関係あるところのみ抜粋してご紹介します
どうやら県議の質問の真意は、効果の認められた真庭振興局内のシステム・・・動物の習性に着目した撃退システムのように、他に県として開発したものはないのか?にあるようです
平成16年2月定例会   自由民主党  小田圭一氏の一般質問から関係部分のみを抜粋
★岡山県議会のホームページから★
29番(小田 圭一君)

 次に,野生動物の被害対策について,生活環境部長にお尋ねをいたします。
 野生の猿,シカ,イノシシなどが毎年田畑を荒らし,農作物に大きな被害をもたらしています。また,カラスがごみをあさったり,時には人に危害を加えるなどして,都市部では大きな問題となっております。
 東京都では,大規模なカラス掃討作戦を敢行し,カラスの巣の撤去や捕獲,えさとなるごみの回収を朝から深夜に変更するなどして,カラスの数そのものを減らすことに成功しつつあります。
 また,本県でも,真庭地方振興局が,野生猿接近警戒システムを開発し,被害を最小限に抑えることに成功いたしました。猿が群れで行動する習性に着目,捕獲した猿に首輪状の電波発信機を取りつけ,再び野に放つ。村落内に電波に反応して回転灯が光る受信機を設置し,猿が接近をすると,住民は花火の音で群れを驚かせ追い払うという仕組みであります。昨年夏,落合町の地区にこのシステムを導入したところ,猿の被害がかなり減ったそうであります。
 そこで,県下の野生動物による被害の状況とその対策についてお尋ねをいたします。
 特に,真庭地方振興局の開発したシステムのように,近年動物の習性を研究し,効果的に撃退するシステムを開発する例がふえてきておりますが,岡山県としても,その研究の成果について御報告いただければと思います。
生活環境部長(土井 道彦君)

 お答えをいたします。
 野生動物の被害対策についてでありますが,県内における野生鳥獣による農林水産業への被害額は,毎年5億円前後で推移しております。中でも,イノシシによる被害額が全体の半分近くを占めておりまして,ついでカラスなどの鳥類,シカ,猿の順となっております。
 この対策といたしましては,有害鳥獣駆除,また防護さく,捕獲さく設置への助成を行うとともに,本年度からメス日本ジカにつきましても,個体数の調整を図るために,狩猟対象としたところでございます。
 今後とも,市町村等と連携いたしまして,地域の実情に即しました被害対策に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 また,動物の習性に着目しました撃退システムについてでございますが,お話の野生猿接近警戒システム以外には,本県におきまして開発されたものはございませんけれども,このシステムは,導入いたしました6カ所のうち5カ所で被害が全く出ておりません。また,1カ所につきましても,被害が軽減しておるということでございまして,大きな成果があったと聞いておるところでございます。
 以上でございます。
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