SANWA STM-406
三和無線測器より、昭和33年(1958年)に発売された3.5〜28MHZ 5バンドの送信機です
テスターのSANWA(三和電気計器)と、たもとは同じそうです(ロゴが同じ)
当時 kitで、¥17,000という広告掲載がありました

KT-200(9R4J)DELICA VFO EXCITER と一緒に
当時、これだけメーカー製のギアを揃えるとしたら、それは大変なことだったと思われます

本製品が発売された1958年には、従来の1級・2級マチュア無線技士に加え、電信級・電話級という資格が誕生
旧2級の方は、5年間の移行期間内に電信の試験を受けることで、新2級に移行ができました(そのままでは、電話級へ移行)
新2級に全アマチュアバンドが解放され、電信級・電話級に21/28MHz帯が許可されたのは、1961年(昭和36年)のことです
1958年時点で、5バンドに対応…先を見た製品づくりということかと思います
入手した古い資料では、終段にかけるプレート電圧は600Vという記述がありましたので、当初の設計では旧2級、あるいは電信級・電話級向けではなかったのかもしれません
本機は、終段プレート電圧400Vとなっていて、いわゆる電信級・電話級向け10W機であろうと思われます
電源と変調回路を内蔵します
古い資料では、変調回路は 6BL8−12AU7−6V6プッシュプルとなっていますが、本機は 12AU7−12AU7−6V6プッシュプルという構成です

シャーシ上面です
中央の四角の物体は、変調トランスです

送信は、2ステージ
12BY7−807 です

整流管は、5Z3です
背面斜めから

アンテナ端子は、M型ではありません
807は、お決まり?の袴がはかせてあります

ユニークなのは、プレートRFC
ベーク棒を立てて、そこにグリッド側と同じRFCが縫い付けられています

パラ止め抵抗器には、L型抵抗器が使ってあります
  変調器側です

手前2本が、12AU7です
シャーシ下の様子
リレーが大きい!

CWは、この頃のご多分に漏れず、カソードキーイングです
AMは、プレート・スクリーン同時変調です
第二次大戦後、国内でアマチュア無線が再開されたのは1951年ですから、短い期間にアマチュア無線というものが、どんどん進化していったこの頃の様子が推測されます

入手した本機ですが、ホコリまみれで掃除が大変だったのですが、湿気は吸っておらず、結果として非常に保存状態の良いものでした
破損があったのは、FT-243クリスタルソケットのみ、手持ち品(中古!)で対応しました
ただACケーブルがなく、付いているコネクタは三和の2Pのようですので、七星の2Pプラグを手配しました
念のためレセプタクルも…最悪、レセプタクルごと交換です

いまだ通電できていませんが、コネクタの入手が出来次第、実稼働をさせてみます
あまりに程度が良かったので、今度はこの時代の受信機を探そう…そんな気になっています
KT-200/9R-4Jを入手(2021.04)

2021.02   JA4FUQ

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