SWAN 500

写真は、SWAN500 本体と、117-XC コンソール電源
メータとダイヤル表示の間に見えるものは、X-Lock動作表示の2色LED(後付したもの)
 管球式のものには手を出さない・・・と言いながら、それからもう2台目です(意志の弱さ丸出し!)
 コスト・パ・フォーマンスの高さで、一世を風靡したSWAN社のトランシーバです
 歳のせいでしょうね、私の頭の中にある無線機のイメージは、まさにこのデザインです!
 私がDXに目覚めた頃、ひょっこりひょうたん島、ドン・ガバチョ役の故藤村有弘氏(JH1BAN)が、その当時このSWAN500を使ってオンエアされていたことを覚えています
 半導体化されたATLASの製品を紹介していますが、SWANが時代的(設計的)にはオリジナルです(ATLASは、SWANの創業者が、後に立ち上げた会社)
 1960年代中盤の発売で(本機付属の取説回路図には、67年のスタンプ有り)、VFOの2TR(+接地! 昔のワーゲンみたい)を除き、全て真空管で構成されています
 電源部は、当時の標準的な外付け方式・・・商用電源用Model 117-X と、DC電源用Model 117-14 、そして商用電源用を組み込んだコンソール 117-XC と、DC電源用を組み込んだコンソール Model 14-X がありました
 特徴は、そのままSWANの特徴でもある、5MHz台のクリスタル・フィルタ方式のシングルコンバージョン構成
 構成としてはシンプルでありますが、非常に高い周波数を自励発振・・・バンドに必要な周波数を一発発振させるVFOに特徴があります
 28MHz帯に関しては23MHz前後を一発発振で得るわけですから、機構的にも電気的にも安定を追求しなくてはなりません
 国産では、八重洲無線 FL-50/FT-50シリーズが、この構成を真似たものです
 また送受で共通出来るものは全て・・・受信ANTコイルも省略され、送信のπマッチを受信高周波増幅段の入力にそのまま使用してあります
 当時の(安価な)トランシーバでは標準的な手法です
 TRIO(現JVCケンウッド)最初のSSBトランシーバ TS-500 ですが、やはりこの方法が採用されていました
 デメリットは、イメージ混信に弱い(選択度が悪い/単なるLPFです)、高感度を得にくい(昇圧効果が得られない)等があげられますから、省スペース・コスト低減のメリットを取ったと言うことです
VFOの構造
上カバーを外しています
ご覧のように、頑強な構造が採用されています

バンドごとに必要な周波数を得なければなりませんから、VFOボックスの中に、複数のコイル群とバンドSWが存在します
なかなか面白い構造でバンドSWに連動させてあります

減速機構は、バーニア機構を2段使用してあります(ダイヤルも2段構成で、早送りと微調が可能/バンドチェックには、この早送りが便利!)

ダイヤルタッチは、悪くありませんが、周波数の読取精度は数KHzです(1KHz直読とまではいきませんし、バンドによっても異なります)
HEATH-KIT HW-100シリーズと同じくらいかなと思われます
コンパクトに仕上がっています
受信は、一般的な高1中2のシングルスーパー構成です
AGCは、オーディオ・ハング型が採用されています
送信は、機種名の由来どおり・・・約500W入力(公称480WPEP)
ファイナルは6HF5x2 国産で言えば、FT-DX400(US型式:FT-DX560・・・なんとなくSWAN風なネーミング!)、あるいはTS-511Sとほぼ同等です
小型化のために、ロードVCも小容量のモノが採用され、並列固定Cを切り替えて必要な容量を得るようになっています

3.5〜21MHz帯にて
Tuneで、200W強の出力が得られます(プレート電流0.4〜0.5A程度)
受信感度は、標準的・・・最終的に 0.5μV S/N10db以上を確保、実際にアンテナをつないで聞いてみて、IC−756PROVと遜色ありません(聞こえるものは、聞こえます!)


半世紀前の新製品ですから、現役であるためには、ある程度のメンテと今風への取り組みが必要です


           詳しくは → こちら
SWAN製品としては、SW100シリーズ(モノバンド・シリーズ)から始まり、多分ですがSWAN700CXまで、その中でもSWAN350、SWAN500Cが高名なように思います(製品最後には、オール・ソリッドステート構成の SSシリーズがあったと思いますが、あまり印象に残っていません)
数字は、送信入力パワーと思えば良いのだと思います
500Cは、ここにご紹介の500の後継機で、送信平衡変調に使用される真空管が 7360 → 6JH8 に、ファイナル管が 6HF5x2 → 6LQ6x2 に変更され、キャリア発振が真空管からTRに(同時にスタビロ1本を省略)、これでスペースが出来たのでしょう、500ではシャーシ下に横向きに配置してあるキャリア水晶が、500Cではシャーシ上に配置されています
あと、送信調整時に便利なRF出力表示が追加されています(500は、ファイナル電流表示のみ)
2014.05   JA4FUQ
117-XC コンソール電源
元々の背面の様子は、左写真の通りです

無線機接続のコネクタは、良く目にする12P角型ジョンソン・コネクタです
電源部は、確かにモジュール化してあります

ACコードの接続に、何で15Pもの多極コネクターを使っているのかなと、チラッと思っていました

今回その理由が分かりました!!
このようなDC−DCコンバータ・モジュールのオプションがあったのでした

手持ちの取説には、DC電源装置は記載がありましたが、117-XC ACタイプのコンソール電源に取り付けるDC−DCコンバータ・モジュールというものの紹介は、ありませんでした

調べて分かったことは、電源ベースモデル:117X に、この14-C をセットにしたものが、DC12V電源 Model 14−117 でした
コンソールに、117X を納めたものが、Model 117−XCでした
な〜んだ、です!
AC接続用コネクタを抜いて、DC仕様にセットしたところです

しかし、無線機本体に加え、こんなコンソール電源を積んで走れる車というのは、やはりアメ車でしょうか?
そう言えば、SWAN Model 45だったか、70年代に、HF5バンドを手動で切り替える機構を持った、デカイ センター・ローディングの車載アンテナを出していましたね
日本では、75m→80mに変更した「45J」と言う型式で、タマエレクトロニクスが扱っていたような記憶があります
センターでビス1本止めです
アース端子にしては不自然?と思っていたビスは、実はこのDC−DCの固定用に使うものでした(もちろんアース端子として使用できます)

こうしてみれば、FT−101などコンパクトというかスマートでしたね
2017.02   JA4FUQ

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