Ten-Tec DELTAII  Model 536
こちらは、1991年の新製品
この時期、USにあってはオンリーワンと言っても良いTEN-TECミの製品です
コンパクトなギアとはいえ、パス・バンド・チューニングにノッチフィルタという混信対策
ノイズ・ブランカやスピーチ・プロセッサを標準装備と、この頃の流行りは全て内蔵されています
受信に関しては、ゼネラル・カバレッジ(1stIF:45MHzと、アップコンバージョン方式の採用)、モードはFM
にも対応(送信も可能)、AMについては専用のフィルタを搭載と、オプション無しという設定も見逃せません
一見、ICOMのデザインにKENWOODのつまみを付けたようにも見えてしまいますが、中身は紛れもなく
TEN-TECデザインです
このマシンは、送信出力100Wですが、5Wのモデル(Model535)もあり、こちらはArgonautIIと
呼ばれています
あの初代Augonaut505(1971年発売)から、ちょうど20年後に登場した新製品です
この5Wのファイナルをドライブとして100Wのアンプを駆動(内蔵)させたものがこのDELTAIIです
(マニュアルは、2つのモデル兼用となっています)
この20年の差は雲泥の差?技術の進歩というか、時代の進歩を如実に感じます
構造は、ある意味従来と変わらずシンプルで、シャーシ類はアルミ板を加工(鉄板は使われていない)、
フロントパネルはプラスティック、リヤはアルミダイキャストのヒートシンクです
上下のコの字型のケースは、鉄板です

以下、本機の大まかなスペックです
受信周波数範囲 100KHz〜29.999,99MHz
受信可能モード  USB、LSB、CW、AFSK、AM、FM
受信感度      0.25μV 10dbS/N@2.5KHz 
                   1.6〜29.999,99MHzMHz/SSB、CW、AFSK
            1.0μV 10dbS/N@6.0KHz 
                   1.6〜29.999,99MHzMHz/AM
            0.3μV 12dbSINAD@12KHz
                   1.6〜29.999,99MHzMHz/FM
選択度       2.5KHz/−6db 4.9KHz/−60db SSB(BW@MAX) シェープファクタ:2
            5.1KHz/−6db 15.8KHz/−60db AM シェープファクタ:3
            15.0KHz/−6db 30KHz/−30db FM
送信周波数範囲 1.8MHz〜29.999,99MHz
送信可能モード  USB、LSB、CW、RTTY(AFSK)、FM
送信出力      0〜100W
消費電力など   受信時大:1.0A  送信最大出力時:20A 13.8V

上の写真は、液晶バックライトONで写しています(非常に「おとなしい」表示具合ですね)
液晶左端が黒ずんで見えますが、これはバックライトそのものの陰です(液晶パネルの問題ではありません)
バックライトを消せば、この陰は見えません
国産品であれば、こんな陰は見えないように機構設計をするところでしょう
液晶パネルでは、周波数表示はもちろん、モード、Sメータ、送信パワー、SWR、時計(24H)、RIT(RXO)
オフセット周波数、Tx−Rx表示ヲ、VFO A/B表示、SPLIT表示、メモリ表示などが表されます
液晶パネル上に時計を配していること、液晶パネルのバックライト消灯(100mA程度の消費電流が
軽減される)スイッチが設けてあるなど、移動運用を意識したものと思われます
左写真 本体トップ側を写したものです

フロントパネルのスイッチは最小の配置とし、LCDバックライト ON/OFF、AGC ON/OFF、20db ATT、AGCレリーズタイムの切替などは、ケース正面にまとめて配置してあります

本機では、内蔵スピーカーは上部に配してあります
今回悩まされたVCO
シールドケースが4つ並んでいますが、その左端VCO1の動作に問題がありました

電源ON後、7MHz以下が、しばらく送受きない
受信ができるようになっても、何んだか周波数変調されたかのような復調音がする
これらの症状からVCOが怪しいと、そのチェックをしようとしたところで、まず取説の写真にある、この基板(1st LO BOARD)がどこにあるか見つかりません 
その答えは、ふたつ下の写真に
本体トップ部
 
上蓋を開けただけだと、見える景色はこのようなものです

まず、ここに見える基板の下にも、上下に挟まれた基板があることを見つけ、さてどうやったらその基板に触ることが出来るのかで、悩んでしまいました

スピーカー下側に見える基板が送信出力5Wのユニットです(本機ではドライバ)
ArgonautII(Model535)は、これがファイナルの製品で、きっとその後ろにはLPF基板/送受切替部が配されるだけかと思います(ヒート・シンク部は無い状態)
本体トップ部/可動部分を起こした状態

ビス2本を外すことで、このように上部基板部をシャーシごと起こして、中の段にある基板のメンテが出来ることが分かりました

これに気付くまで、フロントパネルを外してみたり一体どうやったら中の基板に手が出せるのだろうか悩まされました
分かってしまえば、コロンブスの卵・・・

さすがに、きちんとメンテできるような基板配置、構造が採用されています
続いて、ボトム部の様子です

中心付近にあるのがIFフィルタです
1stIFは45MHz、2ndIFは6.144MHz・・・このフィルタ類です
FMの場合は、3rdIF 455KHzまで翌ニして処理されます
ラダー・フィルタは、TEN-TECお得意の自社製です
フィルタ部のアップハ真です
4ポールのフィルタを2つ使って可変帯域幅2.5KHz〜500Hzに対応が出来るようになっています
2つのフィルタで計8ポールです
この点、CorsairIIは、8ポールフィルタ2個で計16ポールフィルタと上級仕様となっています
下に見える5ポールのフィルタはAM用です
リア・パネルです
VCOが落ち着いて、いざ送信しようとしたらパワーが出ない・・・液晶表示はRx→Txに切り替わるが、消費電力はほとんど変化しません
PTT端子の電圧をあたってみると+電圧がかかっていません
まあ取説を読んでみてから・・・と思い直して読むと、使い方の最初に、送信する場合はリアパネルJ−1にプラグを差し込めとありました
左写真のDINプラグです
回路図を読んで説明文を読んでいないことがよく分かった一件でした!

アナログ時代からデジタル時代への移行途中にある時期の製品という感じがします
アナログ処理とデジタル処理のハイブリッド構成です
局発(VFOを含む)あるいはBFOについてはデジタル・コントロールPLLを採用
直接のキー操作でも、周波数設定ができます
▼▲ボタンで100KHz単位の周波数変更、あるいはFUNCキーを併用することでアマチュア・バンド毎の切替もできます
もちろんメイン・ダイヤル(10Hz、または50Hzステップ)を必で?回すことでも可能です
パス・バンド・チューニングは、±2.5KHz(デジタル・コントロール)、オーディオ・ノッチ・フィルタは、250Hz〜2.2KHzの範囲で規格上50db・・・聴感上も良く効いています(こちらはアナログ処理)
VOXに関しては、そのゲイン調整は、アンチトリップを含め、設定はデジタル手法です
ダイヤルは10Hzステップ、周波数安定度1PPM以下 48メモリ A/BデュアルVFO という高級機と大差ない機能を搭載しています
DBM & DBM−ICが多用され、AFタイプのスピーチ・プロセッサやノイズ・ブランカも搭載されており、いずれも簡単な回路ではありますが、トークパワーのアップやパルス性のノイズに対しては十分効果があります
特に、CW中心の方には嬉しい送受切替はTR方式で、送nの切替については非常に静かです
TEN-TECらしい設計で、製品ラインアップとすれば、入門/移動/2ndマシン・・・割り切って使うギアと言う位置付けではないかと想像されます
2015.08

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