Ten-Tec SCOUT 555
こちらは、1993年の新製品
この時期、USにあってはオンリーワンと言っても良いTen−Tecの製品です
いわゆるArgonaut( 初代Augonaut505)の流れをくんだ製品だと想像します
SCOUT555は、50Wモデルですが、SCOUT556という送信出力5Wモデルの用意もあります
対象は、移動など簡易な運用向け、あるいはバックパッカー向けと言う位置付けかと思います
それが故に、小型軽量で必要な機能をコンパクトにまとめ、かつリーズナブルな設計がしてあります

特徴は、バンド切替をプラグインモジュール行っている点
このモジュール内で、2MHz台のPTOの信号と、クリスタル・オシレータで、必要なLo信号を得ています
160Mバンド〜10Mバンドまで、WARCバンドを含む9バンドのモジュールの用意があります

IFは、6.144MHz DBMを多用した、シングル・コンバージョン方式が採用されています
IFフィルターは、カタログの上では9ポールとなっていますが、実際は帯域幅可変の4ポールフィルタと固定の5ポールフィルタの組み合わせで、合わせて9ポールです
その帯域巾ですが、500Hzから、2.5KHzまで連続可変出来ます(IF BW)
RITの可変は±1KHz
TUNEは、15〜20W程度(本当に、アンテナ調整用! ファイナルを壊さない範囲に収めてある) 
SWR計測も出来ます(背面にSWあり)
エレキーを内蔵(デフォルトは、25WPM 可変出来ますがバックアップされないので、次の運用時には、設定はデフォルトに戻ります)
とまあ、通常の運用に必要と思われるものは、全て内蔵してあるといった感じです(ノイズ・ブランカはオプション設定)
リアパネル

2PのCWキー入力(KEY)と、3Pのエレキーパドル入力(KEY PADOLES)の2つがあります
またSWRも切り替えて読めるようにメーター切替がついています
こちらが、フロントパネル

左端にある、プラグインモジュールの受け側(本体側)です


こちらが一番の特徴である、プラグインモジュール部です

各バンドに必要なクリスタル・オシレータとDBM、必要なフィルタが組み込まれています

基板のプラグインは一般的ですが、あと2つは、なんとDCジャックが採用されています
極めてアマチュア・ライクで良いです!

本体トップ部

これもTen−Tecお得意、自社製のクリスタルフィルターが2箇所に見えます
上に見える4ポールのものが帯域可変のものです
真ん中に見える5ポールのもは固定帯域のフィルタです
本体トップ部/スピーカー取り付け部を起こした状態です

上のシールド部がPTO部です
こちらもTen−Tecお得意の可変Lタイプで、2.2〜2.7MHzを発振します

スピーカーに一部重なって見えているのは周波数ディスプレイ部

下のシールド部は、プラグインモジュールを受ける部分です


PTO部

シールドを外してみると、なんとコイルのコア部分を直接メインノブで回す構造です
これほどシンプルなVFOの構造は無いであろうというものです!
こんなTen−Tecの設計が好きです

もちろん、ギアメカあるいはエンコーダーを使ったもののようにスムーズにダイヤルを回す(周波数を変化させる)ことは出来ませんが、スプレッドダイヤルを知っている世代にとっては、全然どおってことはありません
本体、ボトム部です

送信出力5Wモデルでは、左下のパワーアンプ部が無いと思われます
真ん中の基板で、RF出力は5Wあります

この50Wアンプ・スペースですが、もしかしたらバッテリ収納を意識してあるのかも知れません
それなりに時間を経過していますので、多少のトラブルはつきものです
周波数表示誤差が、ちょっと気になります
補正用にトリマが用意されているのですが、シールド板からの距離が遠く、一般的なドライバでは届きません(シールド板を外してみて気付きました!)
シールド板に開けてある穴を、ドリルで一回り大きくしました!
これで調整OKに
デジタル表示・・・7セグメントLEDの上の横棒が表示されないことがありました
周波数表示基板のスルーホールを半田し直すことで正常になりました
あとは、基板やシールド板の取り付けビスの増し締め・・・訳の分からない不安定な動作・・・結構この増し締めが功を奏します
余談ですが、Ten−Tecの製品は、上手に小型化されているが故、うかつにネジを緩めると、締まらなくなることがあります
そのビスが、部品取り付けのものか、構造物を止めているのか、良く知った上で緩めないと、あとで大分解をしなくていけないことに繋がりかねませんので、ここは要注意です!?

極めてTen−Tecらしいと思われる製品です
・5/50Wの2種の製品構成
・自社設計のクリスタル・フィルタの採用
・シンプルで安定な、PTOを採用
・機構のユニークさというか、アマチュア・ライクさというか
・実用的に見ても、必要な機能をコンパクトに搭載
その時代毎の最新技術を駆使した製品作りに加え、こういったユニークというか歴史を繋いでいる製品作りも行われていることで、長くこのマーケットに生き残ってるのがTen−Tecと言うことかも知れません
2018.03

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