EFJohnson Viking Ranger
第二次大戦前からの送信機メーカーであるEFJohnson 今やJVC KENWOODグループの一員です
こちらは、1954〜61年にかけて販売されたもので、ケースを取り外して写しています
還暦を迎えるもので、特に見栄えについては劣化が進んでいますが、アルミ・シャーシのおかげで内部は意外と綺麗です
SWほか、メカは大丈夫そうです
入力パワー AM−65W CW−75W
1.8MHz帯 〜 28MHz帯に対応(11mバンドもあります!)
VFO、及び電源を内蔵
送信ファイナル 6146
変調ファイナル 1614プッシュプル  こちらは、6L6GCのメタル管です(1622より送信機向け仕様)
本機は、いわゆるエキサイタで、4-400パラレルのデスク型アンプをドライブするためのものです
デスク型・・・マッチング・デスクとセットにすることで、ご覧のように本当にデスクの形を構成します
 左がリニア・アンプ部 右はマッチング・デスク  セットするとこのようになります!
この時代にアマチュア無線機として、AM1Kwが実用(製品化)されているのは、さすがにUSです
当時の日本では、ちょっと考えられないことです

当時のリニア・アンプ・カタログには、このようにセットで写真紹介がなされていました(中央がリニア・アンプ)
このリニア・アンプはありませんが、HRO受信機は手持ちがありますので、似たようなレイアウト(発売当時のイメージ)で写真を撮ることが出来る日が来るかも知れません
入手以降、まだほとんど手が着いていません(HRO、75A-2ほか、AMギアはほとんど手が着いていません)
まずは機構のメンテからスタートと言うことで、単なる写真集としてご紹介します
見事に左右対称でデザインされています

VFOエスカッションにあるPLも、片側はダミーです
フロントやや上から

黒い2本の真空管は、変調ファイナル 1614プッシュプル 6L6GCのメタル管です
斜め後ろから

左奥が変調部

右奥は、発振/励振部と電源部です

左に見えるが電源チョートランス
右に見えるのは電源トランスです
変調トランスは、メーターの手前に配されています

ファイナルは、ご覧のように6146シングルです
リアに準備されたコネクタ

ANT:M型レセプタクル
CW:電鍵 φ6      これらは一般的

AM:マイクロホン
HeathKit等と同じ形状のコネクタ(アンフェノール 80−Mシリーズの2P)が採用されています
入手しづらいので、最終的には一般的なMIC4Pあたりに交換しようと思います

9Pオクタルソケット
プラグの付属があってやれやれ・・・9Pは滅多と目にしません(8PはUS/GTプラグとして一般的)
使用上の問題は無さそうだったのですが、メータフロントガラスが外れていましたので何とか修理をと言うことで、メーターの分解をスタートしました

メーターは、きちんとシールドしてあります
このため、分解作業は手がかかります

奥に見えるランプは、電源PLで、メーターのバックライトはシールドケースの真ん中に見えています

RFC・・・この写真にも写っている空芯のものですが、本機では多用してあります
RFの回り込みについては、かなり対策が取られています
さすがに1Kw送信機のエキサイタです
取り外したメータを分解

フロントガラスは、瞬間接着剤で固定しました
良くできた構造で、フロントガラスが外れても、メータの針には直接触れないような構造が取られています

ついでにメーターフェイスの清掃を行いました
シャーシ下部です

アルミシャーシ採用のため、時間が経過しても非常に綺麗です

真ん中に通っているシャフトは、バンド切替SW
右に見えるトランスは、チョークトランスです
左奥に見えるタイトVCは、πマッチロード側のVCで、小容量ですが、その右に見えるSWで、並列に接続される固定コンデンサを切り替えて、必要な容量を確保します

コンデンサは交換しなくてはいけないかも知れません(経年変化の一番は、ペーパー/電解コンデンサというのが常識)
興味深い構造T

バンド切替に連動したVFOの切替機構に注目下さい
GALAXY GT-550 では、金属ベルトを使っていましたが(こちらは1対1の対応)、本機ではカムのような構造で、回転の方向を90°変化させています
その回転は、1対1ではなく、7バンド(7段階)に対して3段階のVFO切替と、単純ではありません
それを爪を2本立てたカムのような機構で実現させています

VFOそのものの設計と、このメカの工夫というのが、コロンブスの卵状態・・・最初に思いついた人は偉い!いえ素晴らしい!
興味深い構造U

水晶発振子のソケットは、このようにツマミ風のカバーで隠されています

左右対称のこだわりが大きいようです
本格的に再生に向けて取り組みを開始、まずはメカから
まず目に付くところ・・・VFOダイヤルの指針がきちんと180°展開されません
カーソルが、少しずれて取り付いています
まずは、この修正からスタート、ついでに減速メカにシリコングリスを塗布しました
そして、次はいよいよ、VFOそのものへ・・・・
VFOの上部の蓋を開けてビックリ
発振コイルを止めているビス2本がが止まっていません
このビスでVCも固定されるようになっています
もしかしてナットが下に落ちているかも・・・ということで本格的な分解をせざるを得なくなりました

答えは、何もなく・・・そうは言っても固定しないわけにもいかず、とりあえず分解したナット・ワッシャ 2組を、こちらに使い回ししました
作業性の悪いこと悪いこと、この取付には苦心しました!

VFOの上部に見えているのは、変調段です
VFOの分解・・・なんとかシールドケースを外すことが出来ました

ベーク棒が立っているものが上蓋です(ひっくり返した状態)
このベーク棒・・・各バンドの補正用VCの延長シャフトです
このものを使うことで、金属製のドライバで問題なく調整が出来ることになります(これだけ離すと、金属の影響/浮遊容量も関係無いでしょう)
よく考えられています

※「フロントやや上から」の写真参照
  ひとつ欠品・・・ここは、11mバンドです
VFOは、中空に3〜4mmほどの厚さのベークライト板に発振コイルやVCが取り付けられています
そして少し沈めた形で真空管が組み込まれています
シールドケースをかけると、この2本の真空管は外からは見えません

真空管は、
発振用 6AU6
定電圧放電管 OA2/VR150MT
の2本
VFOを横から見ると・・・
バンド切替SWが縦方向に用意されています

何とも器用な機構で、回転方向を90°ひねってあります

手前の真空管は、バッファ(水晶発振)/ドライブの6CL6 2本です
縦に立って見えるコイルは、ドライブ段の同調コイルです
左のシールド板の奥(左手)は、ファイナル部です
この時代の送信機(エキサイタ)では当たり前のように、アンテナの切替リレーの内蔵はありません
アンテナ切替は、リニア・アンプの持つ機能です
が、はやりそういった使い方だけではないのでしょう、本機にはアンテナ切替リレーが追加(改造?)されていました
さて、ここでの疑問・・・送信(PTT)操作はどうするのだろう?
マニュアルにはPTT改造方法が書かれていますが、現物を見るとAC一次側にリレーコイルの片側が接続されています(マニュアルに記載のある方法ではありません)
しかし、その説明ですが、マイク・PTT端子に100V以上の直流電圧がかかる内容です
今の時代では考えられないと思います・・・触ればいくらか電圧降下するとは言え、どこかの電気柵くらいの電撃を受けそうです
その他、VFOシールド内の温度上昇対策(ブリーダー抵抗の取付位置の変更)や、キークリック対策(コンデンサの容量変更、あるいは取付位置変更)など、書かれています
このあたりの情報開示については、見習う点があるように思います
火入れ式の前までに、しておかないといけないことが多くありそうです(当分、遊ばせてもらえそう)

電解コンデンサなどは、見るからに劣化しています
真空管の調子は、今時点では分かりません(予備球の用意に走っています!)
メカ/部品のチェック・交換、配線チェックを終えると、いよいよ火入れ式です

現役に至るには、それなりな取り組みが必要そうです
これらAMギアについては、いつかは現役・・・を合い言葉?に、時間を見つけてボツボツ取り組むつもりです
面白いネタが見つかれば、改めてご紹介をさせていただきます
2015.08

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