YAESU FT-200
入門者向けSSBトランシーバ FT-200です
FTDX400の発売から1年経過した1968年10月の発売 ¥69,000だったと思います
電源は内蔵せず、外付けのスピーカー内蔵電源FP-200の用意がありました
本体サイズは、335横 x 280奥行 x 140高さ 重量約8Kg とコンパクトです
1969年ごろ、メインのリグの横に、いわば予備機として鎮座している本機をよく目にした記憶があります
 

本機は、初期モデルです(最終モデルはブラック仕様)
外部VFOも考慮がなく、固定CHユニットもオプション設定で、付いているツマミは、奥から取り付けられたφ6のビスに取り付けられている、なんちゃってツマミです
メインダイヤルの構造は、直前に合併したスターのSR -700/ST-700と同じです
また、YAESU初のプリミックスタイプのシングルコンバージョン方式という設計も、スターの分派グループによる泉工業 パロス22-TRと同じです
9MHzIFと、5MHz台VFOの組み合わせです
余談ですが、このプリミックス方式は、US.National社のNCX-3NCX-200等を手本にしたのではないかと思われます(IFとVFO周波数を逆に使用)

シャーシ上面 リア側から
非常にコンパクトです
VFOと、AFオシレータ、100KHzマーカー以外、全て真空管で構成されています
このスペースで、これだけの真空管が並びますので、かなりの発熱が生じます
100KHzマーカーのON、あるいは送信オペレーションONなどにシーメンスキーが使われていますが、これもスターST700の流れかなと、勝手に想像するところです!?

シャーシ上面 フロイント側から
CWフィルタオプションの用意はありません
またノイズブランカーの採用はなく、単なるノイズリミッタ(ANL)が採用されています
外部電源装置 FP-200について
時期によって、11PコネクタのPin7の配線が異なっています
外部スピーカーに割り当てられているものと、COMMONとなっているものがありますので、別々に入手した場合は、チェックが必要でしょう
FT-200本体も、外部スピーカー出力端子が、RCAレセプタクルのものと、2Pフィーダーコンセントのものがあります
 
シャーシ底面
非常にシンプルかつ、うまくまとめられています

VFO
温度補償トリマが用意されています
当時のYAESUでは標準仕様です
ある程度のウォームアップ時間は必要ですが、その後のドリフトは実用の範囲です

ダイヤルリニアリティについて
調整後±1KHz以内の範囲でリードアウトできます

本機ですが、ファイナル管片側のG1配線が断線・・・このため、6JS6 1本は、お釈迦となっていました
AFオシレータの発振が止まっていて、TUNE/CWでパワーが出ない、キャリアポイント・クリスタルの片方が発振停止、大きなトラブルは以上で、それ以外の問題はありませんでした
FP-200との相性で、出てくるスピーカーの音が小さく歪んでいて、一瞬ですが悩みました
必要な対応/調整を行い、実際に稼働させてみて、十分実用に耐えると感じました
当初のスペックは満足しています
アナログVFOについても、十分実用の範囲です
増幅型AGCの効きも良く、S/N良く歯切れの良い受信音が得られます
当時の音がします(今で言うところのいい音ではないでしょうが、通信目的で聞けばいい音です)
2020.04   JA4FUQ

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