CD社 KT−8R 30年目の保守
 KT−8R・・・現行商品では、KT−18Rに相当するモデルです
 まず、30年経った今でも補修パーツの入手が出来ることに感激しました
 また、28年前に廃版になったこの製品にも合わせたエレベータキットを用意してもらえることもわかり、早速手配をお願いし、5月の連休に作業をする計画を立てました
 次の2〜30年先は無い!! 人間、タワーいずれも賞味期限切れです!!
 と言うことで最後の保守・・・エレベータキットの採用をこの際一緒にと考えた次第です
 高所作業は、一度にまとめて・・・ ましてほとんど一人作業、季候の良いときに・・・です
 なんとか予定通りの作業を終了することが出来ました(ローバル塗装/補修作業を残すのみ)
2008年5月6日
エレベーター・クランクダウン時
エレベータ機構を動かして全体の確認作業中
2F屋根からアンテナのメンテが出来ます
目障りだった電柱のステーも移設してもらいました
フルクランクアップ時
以前はタワートップ部にアンテナを取付してました
結果的に地上高が1.5m程度アップしました
その後、アンテナもバージョンアップして7エレに
 具体的な作業について
 アンテナ・回転マスト・ローテーター等は載せたまま、全てのボルト、ジョイナーを下から順番に交換
 ジョイナーの交換時に合わせてエレベータキットのガイドを取付、そしてレールを取り付けるという作業を繰り返しました
 今回入手した補修パーツを見ると、30年後はここまでは錆びそうにはありませんが・・・

 1.M10ボルト
   錆びたM10ボルトの取り外しは困難を極めました
   まるで断末魔のようなキィ〜イ・・・
   昔のように近所で鶏を飼っていたら、卵を産まなくなるから止めてくれって間違いなく苦情が
   あったところ
   手も痛いし!! 結果、数本ねじ切ることになりました
 2.M8ボルト
   こちらは意外とも思えるほど容易に取り外せました
   M10が余りにも困難だったから余計にそう思うのかも・・・
   直径2mmの違いで、ボルトナット間の接触面積の違いがこうもあるのかを実感(強度の違いを
   実感)
 3.思わぬ伏兵
   楽なはずのM8ボルト
   以前行った補修が仇に・・・  ローバルを塗ったボルトが、先のM10状態に!!
   解決は、KURE5−56  絶大な効果!というかローバルの塗装が浮き上がります
 4.気持ち悪い!!
   ジョイナーのほとんどは分割型ですので、柱一箇所全てを同時に取り外すことはありません
   ところが途中の一箇所だけ一体型のジョイナーが使用されていました(新たに入手したジョイ
   ナーは分割型でした)
   いくら慣性が・・・と、頭で分かっていても、柱一本の継ぎ手を全て取り外す作業は、気持ち悪い
   作業でした
 5.その他
   M10ボルトが使用してあるのは、1スパンが1mの下部、これが高い位置ならきっと今回の作業
   は不可能だったでしょう
   下段の作業は、足場(建物の屋根だったり、階段部、あるいは四脚足場台)があったため、力ずくの
   作業が出来たもので、これが高所であるなら高所作業車でも使用しないとできなかったと思われます

 準備段階として、作業台(WP30C)あるいは、アンテナ取付ブーム(AM26)、以前風力発電機を取り付けていたアーム/マストの取り外し作業を行いました(変に?タワーがすっきりしてしまいました)
 この作業の時は、下で受け取ってもらう人にいてもらいましたが、上記の作業については、アンテナ/ローテーターの移設を含め、全て一人で行いました

 余談です
 CD社のローテーターを使用していますが、回転マストの芯だしが簡単にできる代わりに、マストを取り付けたままローテーターの取り外し、あるいは取り付け位置を変更しようと言うときには、逆に苦労をする羽目に・・・
 回転マストを一度上に引き上げないと作業がスムーズに出来ません
 一人作業で苦労したひとつです

 結論として、一人1日1ユニットくらいであれば、そんなに無理なく作業を行うことが出来ます(正味1日あたりの稼働時間3〜5時間くらい)
 KT−8R(現在の型式は、KT−18R)は、地上に7ユニットありますから、7日コース
 7日分の日当を払ってこの作業を人にお願いする気にはならないと思いますので、仕事としてお引き受けする気にはなれません!!(例え7日分の日当をいただけるとしても!)
 自身最後の仕事という覚悟でできたことで、一生のうちに何回もすることのようには思えません

 長くタワー、アンテナを維持しようとお考えの方は、ボルトに錆が付く前に、すなわち取り外しに苦労しなくて済むうちに、交換作業を行うことを繰り返すことで、長く安全にお使いいただけるモノとご理解下さい
 30年前と違い、最近の製品に使用されているボルト類の耐錆性は高いと思いますが、時には状態を目で確認してみてください
 トラブルが生じてからの対応(これが出来る最後の保守!とか)では、何をするにも大変、ということを身をもって証明した一件です 


余談でしょうが、「営業日誌」2008年5月に本件、2009年10月に久々の建柱仕事を簡単にですがご紹介しています

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