同時進行の道徳授業 3年生
TOSS岡山サークルMAK 吉田真弓
5月2次 「子リスと母ネコ」3−A 生命尊重
理科の学習で青虫を捕った。とったときはあれほど喜んでいたのに,1週間経った今,関心は薄れ世話をしている子は少ない。
その結果,ほとんどの青虫が死んでしまっている。
しかし,そのことさえ気がついていない子どももいる。
この機会を捉えて,5月4次予定の生命尊重の授業を入れ替えて行った。
資料1「太郎君とポチ」
指示1 太郎君とポチのお話を読みます。よく聞いていなさい |
「太郎君とポチのお話」の前半を読み聞かせる。
発問3 太郎君のことをどう思いますか。 |
「やさしい人だと思います。」
「犬が好きなんだなあと思いました。」
「いい人だなあと思いました。」
「えらい人だと思います。」
「犬をかわいがっていると思いました。」
「約束を守る人だと思いました。」
「おりこうだなあと思いました。
「犬をいっしょうけんめい育てようとしているんだなあと思いました。」
「いい人だと想います。」
指示2 お話の続きを読みます。 |
「太郎君とポチのお話」の後半を読み聞かせる。
発問4 太郎君のことをどう思いますか |
「太郎君はいけない人だと思います。」
「太郎君はえらくないと思います。」
「太郎君はかわいそうです。犬をおじいさんにあげられたからです。」
「だめ人間になってしまいました。」
「最初はいい人だったけど、悪い人になっちゃった。」
発問5 ペットを飼うことはいいことでしょうか。いいと思う人は○、 良くないと思う人は×を作文君に書きなさい。理由も書きなさい |
指示3 書いたことを発表しなさい。 |
指名なしで発表させる。
「ぼくは○です。ペットを飼うとにぎやかで楽しいからです。」
「ぼくも○です。ちゃんとお世話をすればいいと思います。」
「私も○です。ペットはかわいいからです。」
「ぼくも○です。ぼくはインコを飼っているんだけど、インコはかわいいし、言葉を覚えるからです。」
「私も○です。ペットを飼うと嬉しい気持ちになるからです。」
「ぼくは×です。だって、ぼくのうちの近くで犬を飼っているんだけど、夜中にほえてうるさいからです。」
「その人が、ちゃんとお散歩に連れていってあげれば、ほえなくなるので、いいと思います。」
「散歩に連れて行ってるけどほえます。」
「それはちゃんと散歩しないで、少ないからほえるんです。」
指示4 ペットのことを書いた作文を読みます |
「ハムスターチップが赤ちゃんを産んだ日」を読み聞かせる。
資料2「ハムスターチップが赤ちゃんを産んだ日」
ハムスターチップが赤ちゃんを産んだ日
三年 漆山 裕樹
ぼくが友だちのたん生日から帰ってきた時、ハムスターチップが赤ちゃんを産んでいました。見ると、小屋の中には、すでに一ぴきの赤ちゃんが生まれていました。
赤ちゃんは、まだ目も開いていなくて、体の色は赤い色でした。とても小さくて、ぼくの親指くらいしかありませんでした。
チップは二ひき目を産もうとがんばっていました。あお向けになってくるしそうに目を閉じて、赤ちゃんを口でひっぱっていました。ぼくは思わず、
「チップ。がんばれ。がんばれ。」
と大きい声で応えんをしました。それでも、まだ赤ちゃんは生まれません。
それから、一時間くらいたっても生まれません。さっきよりチップはもっとくるしそうでした。ぼくは、チップのことが心ぱいで、ずっとそばにいました。
「赤ちゃんを産むのって、こんなに大へんでくるしいのかなあ。ぼくも生まれる時、お母さんもくるしかったの。」
と、ぼくは、お母さんに聞いてみました。すると、お母さんは、
「そうだね。裕樹の時、とてもおなかがいたくて、こしがちぎれそうだったよ。でも、お父さんやびょういんの先生たちにはげまされてがんばったから、チップのこともはげまそうね。」
と言っていました。
日曜日のことだったので、チップが産んでいる時には、家族みんなで応えんをしてあげることができました。
二時間くらいたった時、ようやく二本の足とおしりの部分が出てきました。ちょっぴりチップのがんばっている目がぬれているように見えました。きっといたくてがまんしているのかもしれません。ぼくだったら、こんなふうにがんばれるかわかりません。
「チップはお母さんになるから、こんなにがんばれるんだよ。お母さんてすごいね。」
とお父さんが教えてくれました。ぼくも、赤ちゃんのためにがんばっているチップを見ていると、なみだが出そうになりました。
それから三十分たったころ、もう夕ごはんの時間になりました。でも、ぼくは、赤ちゃんを見るまでは食べたくありませんでした。その時、スルスルという感じで赤ちゃんの頭も出てきました。ぼくはむねがキューとなりました。
「やったあ。やっと生まれた。でかしたぞ、チップ。」
と、ぼくは何度も何度もさけびました。生まれたばかりの赤ちゃんは、一ぴき目と同じように赤い色をして、体全体にまくのようなものがかかっていて、耳も目も閉じたままでした。それに、大人のハムスターは、なき声はありませんが、赤ちゃんは、ミィーミィーと小さな口を開けてないていました。毛もはえていなくて、ハムスターに見えませんでした。チップは出てきた赤ちゃんをペロペロとなめて、きれいにしてあげていました。小屋の中の一ぴき目の赤ちゃんもチップをさがして、ミィーミィーとないていました。声を聞くとチップは、生まれたばかりの赤ちゃんを口で引っぱって、小屋の中につれていきました。そうっとお姉ちゃんと小屋をのぞいてみると、二ひきの赤ちゃんは、チップのオッパイにくっついていました。チップはつかれたのか、目を閉じて横向きになってオッパイをあげていました。
赤ちゃんが生まれて、とってもうれしかったけど、ハムスターの赤ちゃんは、お母さんのオッパイをはなれるまで二週間くらいは、さわっても、小屋をのぞいてもいけないのだと本に書いてありました。赤ちゃんをさわってしまうと、人間のにおいがついて、お母さんが赤ちゃんを食べてしまうそうです。小屋をとったりすると、お母さんは育てなくなってしまうらしいです。そんなことになったら、ぼくはとてもかなしいので、ぜったいにさわったり、チップのじゃまをしませんでした。さわりたいのをがまんして、がんばりました。エサをすばやく入れかえたり、水を取りかえてあげたり、できることをしてあげました。
今日も赤ちゃんは、チップのオッパイにすがりつき、ぼくの大切なチップは目を細めて赤ちゃんをかかえています。
「よくがんばったね、チップ。おめでとう。お母さんチップ。早く赤ちゃんをさわれる日が来ますように・・・・・・。」
自然に拍手が起こる。
指示5 ペットを飼うことはいいことでしょうか。感想を書きなさい。 |
指示4 ペットのことを書いた作文を読みます |
道徳資料「太郎君とポチ」
漆山仁志@TOSS/Sannai
<前半>
太郎君は、「犬がほしい」ので、お母さんにお願いしました。
「太郎が毎日ちゃんとお世話ができるならいいわよ。」
とお母さんは答えました。
太郎君は、「毎日必ず餌をやること」「毎日散歩に連れていくこと」を約束して犬を飼うことになりました。
太郎君は犬をかわいがりました。
犬の名前をポチと名付けました。
毎日夕飯の残りを皿に入れて犬にあげました。
犬が食べた後の皿もきれいにあらいました。
それに、今まで7時に起きていた太郎君は6時に目覚ましをかけて起きるようになりました。
そして、毎日一時間犬のぼちポチのことを散歩に連れていきました。
<後半>
でも、一ヶ月過ぎた頃から、太郎君は前のように7時まで寝ているようになりました。
「太郎、ポチのことを散歩に連れていかないから、ポチは夜中もほえるのよ。」
とお母さんに注意されました。
また、ポチの餌も忘れることが多くなりました。ポチが食べた皿も汚れたままです。
お母さんはついに怒りました。
「太郎、もうポチを飼うのはやめなさい。おじいちゃんが飼ってくれると言ってるから、持っていきます。」
ポチはおじいさんの家にあげることになりました。
資料3 「子リスと母ねこ」を読む。
黙って板書する。
わたしたち人間の命 リスや猫,うさぎの命 アリの命 |
発問 この中で自分が大切だと思う物を書きなさい |
一つだけですか。と言う質問があったので「いくつでもよろしい」と答え た。
列指名で発表させる。
人間の命だけ・・・2人
人間の命とリスやうさぎのいのち・・・15人
全部 ・・・・・多数
説明 みなさんは,去年うさぎの命を助けました。 けがをして血だらけになったうさぎのことを本当に心配し,募金活動 もしました。 ところで,この前理科の時間に捕まえた青虫はどうでしょう。 どんなに小さな命でも,大切な命です。 たった一つの命です。消えてしまったら,元には戻らない。 ゲームのようにリセットすれば生き返る,そんな命は一つもないので す。 みんなの命,うさぎやリスの命,青虫の命,種まきをしたホウセンカ の命。 どれも同じ大切な命です。 紙に感想を書きましょう。 |
感想を書いた後,青虫のキャベツをとりに行く子,入れ物を掃除する子,死んだ青虫のおはかを作りに行く子で,教室は空っぽになった。
反省
資料が3つは多すぎた。
2時間かけてやるべき授業だった。
「太郎君・・・」の部分でペットの是非で1時間。
「ハムスター・・」と「子リス・・」で1時間。
ことに「命」の部分で理由を話し合わせることが必要であった。
「青虫」がきになって,最後の感想が短く貧弱だった。
最後の感想には何を書かせるべきか。
感想を書かせてから,青虫のことに気づかせる方がよいか?