Collins  51S-1
コリンズ製ゼネラル・カバレッジの受信機です
外部スピーカー 312B-3 と並べています

セミ・業務向けの受信機として、真空管採用の最後のモデルです
75Aシリーズ(例:75A-275A-4)から(軍用では、もっと以前から)の伝統の技術・・・メイン・ダイヤルひとつで、RF段・IF段全てのチューニングを行います、すべてメカニカルです
従って、一般にRFチューニングとか表される同調ツマミはありません
周波数を選択するだけで、最も高感度に受信できる、ということです
昨今の様に、広帯域のBPFを切り替えるような手法ではなく、従来通りの同調を取ります
当然のことながら、高周波段における選択度は高いといえます

1960年初めから1980年代まで生産が続けられたようです

1KHz直読で、2.5〜3.5MHzの1MHzをカバーするPTOと組み合わせ、1MHzごとのバンド切替で、0.2MHzから30MHzを連続カバーします
あまりに高名で情報も多いので、ここでは簡単なご紹介にとどめます

数ある受信機の中にあっても、今でも人気の(実力も!)ある受信機です
375W 167H 332D サイズは、KWM-2等と同じで、重量は約11.8Kgあります

0.2〜2MHzは、一度28.2〜30MHzに持ち上げ(アップ・コンバージョン!)、そこから1stIF:3〜2MHzに落とします
そこで、PTOの信号(3.5〜2.5MHz)とMixして、500KHzの2ndIFに落とし、検波します
0.2〜2MHzは、トリプル・スーパー・ヘテロダインとなります
2〜7MHzは、一度14.5〜15.5MHzに持ち上げ(やはりアップ・コンバージョン)、そこから1stIF:3〜2MHzに落としますので、この周波数範囲も、トリプル・スーパー・ヘテロダインです
7〜30MHzはダウン・コンバージョン、1stIF:3〜2MHzに一発で落としますので、ダブル・スーパー・ヘテロダインということになります

選択幅を決める500KHzのメカニカル・フィルタについて、collins SLineと聞けば、SSB向けには狭帯域の2.1KHz幅を頭に浮かべそうですが、本機のフィルタは2.75KHz幅で、ダイヤル・カーソルは1本となるようキャリア周波数はひとつで、USBとLSBの2本のフィルタを切り替えます
CWは、一般的な仕様では800Hz幅、AMは、IFT(集中IFT)による5KHz幅となっています
本機のCWフィルタは、300Hz幅のものが搭載されています

整流や検波、検波後のSSB/CWオーディオ・プリアンプ、AGCなどには半導体が用いられ、真空管は17球で構成されています
RF1段、IF3段増幅という構成です

この後は、全体半導体化され周波数表示もディジタル化された、651S-1に選手交代です
メイン・ダイヤルに、ウェイトを入手して取り付けました
一般的なVFOダイヤルと比べ、ついて回る(一緒に動く)負荷が大きいため、スムーズにダイヤルを回そうとすると、慣性の大きいほうが好感触です
ウェイトを追加することで、ツマミの重量は、137gとなりました
メインダイヤルのアップです

メカニカル・ダイヤルについて
MEGACYCLESダイヤルの動きに連動して、「14」の表示が変わります
200KHz台を表す「2」は、メイン・ダイヤルの動きに連動して変わります
特徴的なメーター(消灯の時は、スケールが見えないくらい暗い)、電源が入って照明ランプが点灯すると、こう見えます
セミ・業務受信機にお馴染みのAF出力のレベル表示を持っています
メイン・ダイヤルの裏側です
PTOとメカニカル・フィルタ部が見えます
右のシールドは、RF部です
少し引いて、リア側からフロント・パネル裏を写しました
フロント・パネル面からリア・パネル面を写したもの
メカニカル・フィルタが納められたシールド・ケース
SSB用に2.75KHz幅のものが2本
CW用に300Hz幅
計3本が納められています
AMは、お隣に見えている集中IFTで、5KHzの帯域幅を得ています
Type 51S-1 F とあります
オリジナルは、ラック・マウント・モデルのようです
リア・パネルです
多くの入出力端子を備えています
     2025.10  JA4FUQ

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