YAESU FT-301
八重洲無線、初のオール・ソリッドステート・トランシーバ FT-301です
この100Wモデルは、1.8〜29.7MHzの6バンド+JJY/5MHz を最初からカバーします
RFスピーチプロセッサ、VOXユニットも標準装備(10Wモデルは、いずれもオプション)
AM・CWフィルタ、AMユニットがオプションです
FT-101の発売から6年経過した1976年の発売 ¥177,000だったと思います
電源は内蔵せず、外付けのスピーカー内蔵電源FP-301の用意がありました
本体サイズは、280横 x 290奥行 x 125高さ 重量約9Kg と、とてもコンパクトです
 
本機は、このFT-200の構成を、ソリッドステート化した内容で、メインダイヤルなどには、やはり旧スターの匂いを感じます
プリMiXによる、9MHzハイフレIFのシングル・コンバージョンです
7セグメントLEDによる、デジタル表示器のついたモデルも用意されました
デジタル表示の採用ということでは、FT-501※というハイブリッド・モデルが、八重洲無線最初のモデルだと思います
このFT-501も、周波数構成は同じです
  ※:フロンティアエレクトリック Digital500   NEC CQ-110/CQ-210 と、内容的に酷似 
    大きな違いは、その表示器   ニキシー管、蛍光表示管、LED と、3者それぞれです  

上手にコンパクトにまとめてあります
整然と美しいです

100Wモデルは、背面にパワーアンプユニットを背負う形です
本体がコンパクトだけに、このパワーアンプ部が大きく見えます
10Wモデルでしたら、この部分は、丸々ありません
ユニット単位で各段を構成
これは、FT-101に通じる部分です

中央右のソケットは、AMオプションボードのために用意されたものです
シャーシ底面
シャーシ底面 

シールド板を外して写しました
メインダイヤル部分
やはり、旧スターの機構が取り入れられています
プリMixクリスタルを省くのは3.5MHz帯のみで、FT-200の14MHz帯に見られるような逆ダイヤルは生じません
余談ですが、FT-501以外にも、同様のプリMix方式を採用したFT-200という、FT-101の弟分も発売されていました
FT-200の後継で、FT-201というファイナル、ドライバ以外が半導体化されたモデルです
FL-101FR-101のデザインを踏襲したモデルでした
FT-301の後継というのは見当たりません、いわゆる一発屋です
FT-101以降、お馴染みとなったスラグチューン(μ同調機構)を採用
FT-101とは異なり、シャーシを起点にシャーシ内に「L部」を収容
左に見える2Pフィーダーコンセントは、内蔵スピーカー接続のためのものです
スラグチューン機構の裏側(シャーシ下)です

スラグチューン左の半固定VR群は、各バンドごとに送信パワーを調整するためのものです
意外、というか・・・
本機には、外部スピーカー端子がありません
スピーカー内蔵外部電源FPー301を必ず取り付けて使うことが前提のような設計です

外部電源接続について
12P角型ジョンソンコネクタでの接続ですが、多分本体に標準で付属のDCコードであれば、コネクタ内でスピーカー配線がジャンプされていて、本体内蔵スピーカーが鳴るようになっていると思われます
FP-301を接続すると、電源内蔵のスピーカーが鳴り、本体内蔵のスピーカーは無視されます

通電後、送信したらいきなり、はじけたような大きな爆発音と白煙が上がりました,あらビックリ
送信時+12Vラインに入っているタンタル・コンデンサが、はじけ飛んでいました
あと気になった部品の劣化は、トリマコンデンサ
調整しようと回すと、剥がれてしまう(下がくっつき、上が空転)・・・キャリア(BFO)のfズレ調整が出来ず、1個交換しました
これらのもの以外、特に部品の劣化による問題症状は出ていません
長年の保管であったにかかわらず、送受ともスペック通りの動作をしています
2021.05   JA4FUQ

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